ストの関西弁4【男主】 (ページ13)

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それからしばらく頑張って学校には行けてたんやけど、周りからの視線だったり、取り巻きから呼び出されてからたまに暴力を受けるとかだったり、影田からの催促があったりして、心が耐えきれんくなったんやろな。

その日は急に来た。

〜〜

紫｢…あれ？｣

学校に行かなあかんって玄関まで来たんやけど体が動かへん。

なんなら変な汗までかいてきた。

紫｢なんで…？｣

ヤバい、行かなあかんのに体が動かへん。

動けよ俺の足…

紫｢あれ、なんか濡れてる…？｣

朱美｢桃矢〜？まだ行かんの…？ってあんたどしたん！？｣

紫｢え？｣

朱美｢さっきまでそんな顔色してなかったやないの！しかも泣いてるし！｣

紫｢あれ…なんで泣いてるんやろ…｣

朱美｢今日はもう休み！そんな顔色して学校行かせられへん！かかが学校には言うとくから！｣

紫｢うん…｣

部屋戻ってみて気づいたけどあの一瞬で汗かきすぎて気持ち悪いし、顔も泣きすぎて腫れてる気がする。

紫｢とりあえず着替えるか…｣

朱美｢桃矢〜？｣

紫｢なに？｣

朱美｢学校には電話しといたから、今日はもうゆっくりしとき｣

紫｢分かった〜｣

朱美｢もうお母さん、出るから鍵閉めて行くでー！｣

紫｢はーい、行ってらっしゃい｣

その日から俺は学校に行けなくなった。

ちゃんと毎日制服着て学校行こうと思って玄関まで行くんやけど、動悸とか目眩、酷い時は過呼吸まで起こすようになった。

お母さんもお父さんもそんな俺を見て無理に行かそうとせんかったんが凄くありがたかった。大人になった今なら分かるけど、親には物凄い心配かけたと思う。

息子が急に学校行かんくなるしなんなら、過呼吸まで起こすんやで？

俺が親やったら心配しすぎて息子に何があったんか問い詰めてたと思う。

そんなある日の夜の事やった。

コンコン

司｢桃矢、今部屋入ってええか？｣

紫｢お父さん？ええよ〜｣

お父さんが珍しくギターなんか持って部屋に入ってきた。

紫｢どしたん急に？｣

司｢桃矢も年頃やし、ギターとか興味ないかなと思って持ってきてみてん、ほれ｣

紫｢急に何なん？笑ありがとう｣

司｢お父さん教えたるし、やってみんか？｣

紫｢んー、せやなぁ…やってみよかな！｣

司｢そうか！ほならまずはコードから覚えてみよか！まずはな…｣

これが、俺がギターを始めた最初のきっかけのお話。