漆拾玖ノ命令 ページ32
寒くて、腹が減って、思わず其の場に蹲った。
kn「迎えに、なんて、来る訳無いよなぁ､､､」
俺が吐き出したぼやきは蹲っていた事により、静かな路地裏に響く事もせず俺に返ってきた。
身体に打ち付ける雨がうざったく感じた。
kn「雨なんて、嫌いやぁ､､､､､､雨と俺の声しか聞こえんくて､､､ｯ、だ、れか俺の事、見つけて、くれんかなぁ、っ」
そう呟き涙を流す。
瞳から溢れた涙は、打ち付ける雨と混ざり合い、地面の中に溶け込んでいった。
「やぁ、少年。こんな夜遅くにどうしたんだ？」
頭上からそんな声が聞こえた。
凛としていて、威圧感がある其の声に顔を上げる事は叶わなかった。
俺の声と雨音だけが漂う空間に突然降り注いだ声に、思わず身体が硬直してしまう。
「はっはっは！そんなあからさまに驚かれたら笑ってまうわ！」
俺の態度を気にする素振りも無く唯、笑い声だけを響かせた。
其の笑い声に対応出来ず、ずっと下を向き黙りこくる。
「世の中にはおもろい奴がおるなぁ！お前もそう思うやろ！な、グルッペン！」
「､､､せやな」
もう一人居た事に気付き、勢いで顔を上げる。
紅い瞳と視線がぶつかる。
kn「あ､､､」
gr「やっと顔を此方に向けたか。駄目だゾ、人の話を聞くときは瞳を見ろ」
kn「す、まん､､､」
「はっはっは！グルッペン、ええよ、話っていう話もしとらんしな！」
gr「いやでも、爺ちゃん､､､､､､」
「ええんやって、この少年も俺達が誰か分かっとらんようやしな！」
其の通りだった。
何処かで見た事、聞いた事があるような二人だった。
だけど、何処で見たのかも、聞いたのかも分からなかった。
✻
水曜日投稿できなくてすみません💦
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楽譜(プロフ) - あまねさん、コメントありがとうございます！好きと行って頂けて嬉しい限りです( *´꒳`*) (3月6日 20時) (
レス) id: de0bd4f93a (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - めちゃすきですー！ (3月4日 23時) (レス) @page18 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楽譜/Gakufu | 作成日時：2023年12月27日 15時
