漆拾漆ノ命令 ページ30
「産むんじゃ、無かった､､､」
ぽつり、母親がそう呟く。
kn「えっ､､､？な、に､､､？」
雨音で消え入りそうな声を聞き逃しはしなかった。
其れなのに白々しく疑問を投げ掛ける。
都合の良い解釈をしたかった。
こんなに酷い事をしてしまうのなら産まない方が良かった、産まなかった方が辛い思いをさせなかった、と母親が思っているのをひたすらに願う。
母親が近付いてくる。
俺の傍に寄って抱きしめてくれる、と思い込む。
母親の手が俺に伸びてくる。
身を擦り寄せる様に俺も身体を近付ける。
kn「母さ､､､ｯ！がっ、あっ､､､く、苦しｯ､､､か、あさｯ？」
「私をそんな瞳で見つめないで、私に寄らないで、私を求めないで」
俺の首を掴んだ儘、淡々と母親が俺にそう告げる。
女の力位なら俺でも引き剥がせた筈､､､なのに何故か手が離れない。
逃げ出そうと藻掻く、けど其れが逆効果なのか首を締める手に力がより一層入った。
何故、何故、何故逃げ出せない。
所詮は女。
抜け出せる筈。
ふと、酸素不足な頭に昔の記憶が流れ込む。
「お坊ちゃま、貴方のお母様はとてもお強い軍人様だったのですよ」
kn「じゃあ、なんで今はずっと家に居るん？軍人なんやったら職場にずっと居らな駄目ちゃう？」
「お母様はお医者様のお父様とご結婚なされてからご退職なされました。お金に余裕があるから、と」
kn「ほーん、そうなんや」
元･軍人だからだ。
力の込め方も、相手を気絶させる術も､､､命を絶やす術も持ち合わせている。
意識が暗闇に堕ちていく。
俺は最期迄”忌み子”だった訳や。
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楽譜(プロフ) - あまねさん、コメントありがとうございます！好きと行って頂けて嬉しい限りです( *´꒳`*) (3月6日 20時) (
レス) id: de0bd4f93a (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - めちゃすきですー！ (3月4日 23時) (レス) @page18 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楽譜/Gakufu | 作成日時：2023年12月27日 15時
