漆拾参ノ命令 ページ26
kn「えっ？ここ、真っ暗やん､､､全然ワクワクせんし、なんなら怖い､､､」
「大丈夫だ、其の内瞳が慣れるさ」
そう言われた通りじっと一点を見つめていると段々瞳が慣れていった。
kn「ひっ、！怖い、怖い､､､嫌や､､､」
そこは路地裏だった。
しかし、唯の路地裏では無い。
顔の原型が無いような死体が無造作に転がっていたり、内臓をくり抜かれた死体が壁に立て掛けられていたり、人体の一部が投げ捨てられていたりと、死体の廃棄場所の様だった。
kn「帰ろう、帰ろうや､､､！嫌や、！」
「､､､えぇ、そうね。少し待っていなさい」
そう言い、両親が車の方へと向かった。
路地裏で待たされた俺は雨に濡れた寒さと恐怖で身体がガタガタと震えていた。
今にも死体が動き出しそうだ、なんて一人で考えて勝手に震えていた。
kn「はよ、はよ戻って来てや､､､何してんねん､､､」
途端、静かな路地裏に車のエンジン音が響き渡った。
kn「えっ､､､？」
両親が向かった方向に乗ってきた車があって、其の方向からエンジン音がして､､､
思わず車の方向に顔を向ける。
助手席に乗った母親が此方に顔を出す。
「ねぇ、アノーイング。寒い？」
何を当たり前の事を､､､
kn「､､､おん」
「じゃあ、怖い？」
kn「当たり前やろ､､､！」
そんな俺の反論に母親が車から降りてくる事も無ければ、父親が母親に連れ戻してくる事を促す訳でも無かった。
「そう､､､残念ね」
母親が笑いながらそう言った。
「良かったわね、貴方が今日着た服、売れば高く売れるのよ。運が良ければ誰かが拾ってくれるんじゃないかしら？」
kn「え､､､」
「運が良ければ、の話だけどね。貴方に神様が付いていないのならそこに転がってる人達の仲間入りね」
kn「い、やや､､､嫌や､､､！」
「じゃあね、アノーイング、最後まで手の掛かる子だった。名前の通り忌々しくて仕方無かった､､､私から産まれた貴方は”忌み子”だったって訳。今迄の生活を反省して死体になる迄過ごしなさい」
そう言い残し車が前進する。
其れを追い掛ける気にもならず、其の場に蹲った。
寒くて、怖い。
今日ずっと両親が優しかったのは嵐の前の静けさ的なやつだった。
名前の意味も今日を以て知った。
アノーイング､､､忌々しい、煩わしい、苛立たせる。
何もかも俺に当てはまっている気がした。
だから親に棄てられた。
其れだけだった。
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楽譜(プロフ) - あまねさん、コメントありがとうございます！好きと行って頂けて嬉しい限りです( *´꒳`*) (3月6日 20時) (
レス) id: de0bd4f93a (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - めちゃすきですー！ (3月4日 23時) (レス) @page18 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楽譜/Gakufu | 作成日時：2023年12月27日 15時
