LOVE Prince

3.親友はサル ページ3

ふん・・・

ふん・・

悲しい顔して うらみがましく神宮寺をみつめた

神宮寺勇太は おさななじみだ

幼稚園のときお弁当をのこして泣いた私

トイレにいけなくてついてきてとせがんで泣いた私

動物園でライオンが怖くて泣いた私

友達の名前が覚えられなくて 泣いた私

友達に名前をだれからも呼んでもらえなくて泣いた私

逆上がりができなくて泣いた私

運動会で転んでビリになり泣いた私

絵の具をせっかくかいた絵にこぼして泣いた私

ああ思い出したらともらない

数々の涙の歴史をしってる

あ・・思い出したら過去も暗かったかもと

また後ろ向きになる

よくない・・

こんなおとなしい私の唯一の友達だった

私がモデルクラブに入るときに

心配して一緒に入ってくれた。

わたしは当時正直・・神宮寺がサルにみえた。

いや チンパンジーかもしれない。

どっちかな？って図鑑をみて考えた。

そんな おサルさんが わが身をかえりみず、

モデルクラブまでくっついてきたのだから

それは相当やさいいいいやつだとおもった。

入れたときは驚いた

(サルも入れるの？)

わたしは

どきどきしたとき こわかったとき

神宮寺の手を握った。

サルの手は優しかった

4.サルの進化→←2.灰色の空

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す