パラレルワールド＊MinHwan【第３章】−４

＊ハルトの眠る場所。 ページ10

【Aside】





中に入ると、季節の花々が綺麗に
手入れされている花壇。


大きな噴水。


足元はレンガ造りで
お洒落に舗装されていて･････


まるで、いつかTVで観た
ヨーロッパの公園みたいだった。







｢えーとね･････。どこって言ってたかな。｣







歩きながら、スマホでLINEのトーク履歴を
確認している様子のミナリ。







『 ･････沙織でしょ。』



｢え？(笑)｣



『 沙織しかいない。
こんな場所ミナリに教えるの！』







そのトーク履歴は絶対に沙織だ、って
確信した私がそう聞いたら



"バレたか(笑)"



そう言って笑ったミナリ。








別に怒ってる訳じゃない。


余計な事してくれた、なんて
これっぽっちも思ってない。


ハルトが死んだあの日からずっとそう。


ミナリとのこともそう。


結局私はいつも、沙織に助けられていて。


沙織がいつも陰で支えてくれていたから
今の私があるわけで。






私の中でとてつもなく大きな存在の沙織。






やっぱり結局、今回もまた。
沙織が陰でミナリと私を支えてくれたから
今、こうして２人でいられてるわけで。



"ありがとう"･････くらいじゃ
なんだか易い気がする。



"ありがとう"じゃ伝えきれない時は
一体どんな言葉を使えばいいのかな。



感謝の気持ちを伝えるのって
･････本当に難しい。









そんなことを考えながら、私は
キョロキョロとハルトの居場所を
探すミナリに手を引かれて歩いていて。

そしたら──







｢あ･････。｣







突然、ミナリが足を止めた。

立ち止まったのは外国風の墓石の前。







Haruto Kobayashi
Since1992−2009







──そこは間違いなく。

ハルトの眠る場所だった。

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