天内理子の親友【呪術廻戦】

ぼーっとぼーちゃん ページ24

頭がぼーっとする

何も考えられない

小さい頃に熱が出た時と同じ感じがする

唯一違うのは置かれている状況

お札がいっぱい貼ってある部屋に逃げない様に繋がれている

でもそれもどうでもいい
ただ目を閉じれば大好きな理子ちゃんが瞼の裏に浮かんでくるから私は今日も目を瞑る

最近は部屋に入ってくる人の誰も話しかけなくなった

話しかけられると理子ちゃんに集中できないからそれは嬉しいこと

そうやってずーっと過ごしてきたのに、今日はいつもと違ったんだ

ガチャって扉が開く音がしたけど無視する

みんなすぐいなくなるのに、今日来た人は三角座りしてる私の隣に座った

なーんにも話さないし乱暴しない

目を開けると理子ちゃんが見えなくなるから嫌だったけど、あんまりにもずっと隣にいられるからチラッて隣を見た

傑「やあ」

穏やかな顔で挨拶された

無視

傑「元々細かったけど、随分と痩せてしまったね

それに隈も酷い。ちゃんと寝られているかな？」

『…』

傑「友人から１ヶ月何も食べてないと聞いた

何が好きか分からないから適当に買ってきたけど、好きなものはあるかい？」

『…』

傑「それからその首に巻かれている呪符は苦しくないか？

嫌なら外してもらえるように『ねえ』」

『もう、いいからそういうの。邪魔しないで』

傑「何の？」

『理子ちゃんと会うこと

目を閉じると理子ちゃんに会えるの

でも傑さんが話しかけると雑念が混ざってうまく思い出せない

だからもう帰って』

他の人にもそう伝えてって私はまた顔を伏せた

私の幸せ、私の心の拠り所

それを思い出そうとしたのに、傑さんは私の顔を無理やり掴んで上を向かせた

傑「Aさんそれはよくない

亡霊に縋るな、君が君じゃなくなる」

なんで私が悪いことしてるみたいに言うのさ

ただ思い出に浸ってるだけじゃん

誰にも迷惑かけてないじゃん

傑「忘れろとは言わない、けど目を逸らすな

天内理子は死んだ。その事実は君がたとえ死んでも変わらない

いつまでもガキみたいな真似はするな」

多分、今私は怒られてる

けどどーでもいいなぁそんなこと

何を言っても無駄なのが分かったのか、諦めてため息をついた傑さん

傑「…これ、君宛の手紙だ

黒井さんが持っていたもので差出人は不明

読むも捨てるも好きにするといいよ」

私の手に乗せられた便箋

傑さんが出て行った後も私はポップなシーサーが描かれたそれをぼーっと見ていた

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