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ゆうた「Aさんっぽいね。」
「そう?」
ゆうた「あ、昨日のとんかつ美味かった。ありがと。」
「やった。上手にできたの、ちょっと油跳ねたけど。」
右手首らへんに、少しだけ水膨れができている。
ゆうた「潰れちゃうと大変だよ。」
絆創膏を差し出すと素直に受け取るが上手に貼れないみたい。
そりゃ、利き手の手首だからね(笑)
ゆうた「かして(笑)」
「なーんで笑ってんの(笑)」
ゆうた「んー?かわいいなーっと思いまして。」
絆創膏を貼り終わり顔を上げると、顔を背けたAさん。
…照れてる、かな?
ゆうた「どしたの?」
「どうもしてません。」
ゆうた「照れんなって(笑)」
「照れてません。」
緩やかな時間。
穏やかな空気。
この場所が、好きだ。
Aさんといられるここが好きだ。
「茄子がね、茄子が食べたくて。麻婆茄子なんだよね。」
ゆうた「買い物して帰る?」
「うん。連日になっちゃうけどいいかな?今日もみんないる?」
ゆうた「喜ぶよ。誰かしらはいるし。」
この時間は、空間は、
…Aさんは、
誰にも譲らない。
俺のだ。
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作者名:aki | 作成日時:2022年3月24日 20時