Essential_01▼コムドット (ページ40)

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チャイムを鳴らすとすぐに飛び出して来たA。

まああともう一個わかったのは…

「やまと！まってた！！」

Aはわりと距離感おかしいタイプ。

ゼロ距離。

やまと「待ってたのは俺じゃなくて、これでしょ？」

小包をAへ手渡すとぱあっと顔が明るくなった。

「これも待ってたけどやまとも待ってた！」

はやくはやく、と促されるままAの部屋に上がる。相変わらず無機質で生活感のない部屋。

「ねーこれ超有名でまじで手に入らないショコラなんだよ？わかってる？味わってる？？」

やまと「味わってるよ(笑)」

ぽいぽい口に運ぶ俺とは対照的に、Aは一つ一つを大切そうに味わっていた。

Aの部屋を訪れる時は決まってお土産を持っていく。大義名分と口実がほしいから。

甘いものに満足すると、Aは本や新聞を読んだり、携帯をいじっていたり。時々はパソコンを開いて仕事を始める。
　

　
決まって、俺の横で。

ソファーに座っていようが、ラグに座っていようが、俺の横で。

Aの横は心地いい。

ただ、俺以外の奴にも同じ距離感なのかと思うと、複雑。

俺だけならいいのに。

真偽も確かめられないまま、きっとまた俺は時間を見つけてはAの部屋のチャイムを押すんだろう。