_ ページ14
ゆうた「…っわー、俺ここ住みたい。」
「ゆたくんはそう言うと思った(笑)」
次のシーズン向けに秋冬の古着を数点選ぶとジープの後部座席へ。
助手席に座るように促される。
運転席に座ったAさんは、似合うんだけど似合わなくて、なんというかすごくカッコよかった。
お店に服を運ぶのを手伝うと、Aさんはポケットからブレスレットを取り出した。
ゆうた「くれるの?」
「手伝ってくれたお礼と、アクセサリーつけてくれてるお礼。」
お揃い、と言いながら右耳に髪をかける。
俺の左耳についたピアスと同じピアス。
小さなフープが揺れるのが、すごく嬉しかった。
「それね、アンクレットなの。ゆたくんが色んな素敵なところに行けますよーにって念じといた(笑)」
ゆうた「念って(笑)」
店先でアンクレットを左足につける。
「なんだかんだ時間だね、ほんとありがとう助かったよ。」
ゆうた「また、時間見つけて来ます。荷物運ぶのとかも手伝うし…、あ、連絡先聞いていい?」
「もちろん、QRコード?これ?」
近づいたAさんからは、少しだけ知っている煙草の匂いがした。
でもすぐに気にならなくなって、あとから香るのは柑橘系かな?爽やかな香水の香り。
甘いのに、甘ったるくない。Aさんらしい匂いだ。
ゆうた「うん、これでおっけ。」
「お店不定期だしね。連絡くれればいつでも開けますよー!」
ゆうた「じゃあ常識の範囲内で連絡します(笑)」
かなり通い詰めて、やっと連絡先を聞いた。
…焦らなくても、時間はあるし。
あの時間とあの場所は、俺しか知らない。
でもやっぱ、煙草の匂いした気がするなあ。
しかも知ってる匂いな気がする。
ま、気のせいかな。
▽episode01_あむぎり→←▽episode01_ゆうた
318人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:aki | 作成日時:2022年3月24日 20時