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ゆうた「…っわー、俺ここ住みたい。」


「ゆたくんはそう言うと思った(笑)」



次のシーズン向けに秋冬の古着を数点選ぶとジープの後部座席へ。


助手席に座るように促される。
運転席に座ったAさんは、似合うんだけど似合わなくて、なんというかすごくカッコよかった。




お店に服を運ぶのを手伝うと、Aさんはポケットからブレスレットを取り出した。




ゆうた「くれるの?」



「手伝ってくれたお礼と、アクセサリーつけてくれてるお礼。」



お揃い、と言いながら右耳に髪をかける。

俺の左耳についたピアスと同じピアス。


小さなフープが揺れるのが、すごく嬉しかった。





「それね、アンクレットなの。ゆたくんが色んな素敵なところに行けますよーにって念じといた(笑)」


 
ゆうた「念って(笑)」




店先でアンクレットを左足につける。




「なんだかんだ時間だね、ほんとありがとう助かったよ。」



ゆうた「また、時間見つけて来ます。荷物運ぶのとかも手伝うし…、あ、連絡先聞いていい?」



「もちろん、QRコード?これ?」




近づいたAさんからは、少しだけ知っている煙草の匂いがした。


でもすぐに気にならなくなって、あとから香るのは柑橘系かな?爽やかな香水の香り。




甘いのに、甘ったるくない。Aさんらしい匂いだ。





ゆうた「うん、これでおっけ。」



「お店不定期だしね。連絡くれればいつでも開けますよー!」



ゆうた「じゃあ常識の範囲内で連絡します(笑)」





かなり通い詰めて、やっと連絡先を聞いた。



…焦らなくても、時間はあるし。

あの時間とあの場所は、俺しか知らない。





でもやっぱ、煙草の匂いした気がするなあ。

しかも知ってる匂いな気がする。


ま、気のせいかな。

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作者名:aki | 作成日時:2022年3月24日 20時

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