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「んー、起こしてえ。」

やまとに向かって手を伸ばす。やまとはAの手を取るとそのままそっと抱き上げた。細身だが183センチのやまとが150センチのAを抱き上げるのは容易だった。

ゆうた「やっと目え覚ましたか。」

やまと「ゆうた、Aのアラーム止めて。裏方起きちゃう。」

ゆうたはAのスマホを手に取り慣れた手つきでアラームを止める。

やまと「ほら、顔洗って支度して。メイクあるから何もしないでって言ってたから着替えだけして？」

「洗面台まで連れてって。」

ゆうた「相変わらず朝はべた甘だな。」

側から見れば付き合っているかのような会話にスキンシップだが、彼らの中ではもう当たり前のことだった。

中学生の時から一人暮らしのAは、今では事務所で暮らしている。住所的にはやまととの二人暮らしとなるが、メンバーの誰かしらが事務所で寝泊まりをしている。

「支度終わったよー。」

やまと「おっけ、行くぞー。」

「ぼんちゃん送ってくれんの？」

ぼん「うん。帰りも迎え行くよ。」

着替え終わったAはぼんに両手を伸ばすと、ぼんはAを抱き上げた。
Aのスキンシップはメンバーのみならず裏方へまで及ぶ。

(ごうたやりょうまなど、後から参加組の裏方へのスキンシップはやまとに禁止されている。ただ、酔ったAはなにをやらかすかわからないし、アメリカ育ちなこともあり、キスやハグはしょっちゅうだ)

ぼん「軽くなったろ？」

「ちゃんと食べてるよ？」

ゆうた「目ぇ離すと食わねえから。」

やまと「なに、Aまた飯食ってないの？」

「食ってる！」

ぼん「こら、言葉遣い。」

「ぼんちゃんお母さんみたい。」

ぼん「そこはギリお父さんにして(笑)」

ケタケタと笑うAを後部座席に座らせて、その横にゆうたが座る。

車ではいつもAの隣はゆうただ。ファンも公認のペアになっている。
助手席にやまとが乗り込むと撮影スタジオまで車を走らせた。