フラクタル構造とはなんぞ？２

何の日？(wtnb) ページ44

今日は私の好きな人であり、会社の先輩でもあるこうちゃんさんの誕生日。“こうちゃん”って呼んでいいよ、と言われたけど、山上さんと同じように“こうちゃんさん”で定着してしまった。

「おはようございます」

「おはよう、なんか今日大荷物だね？」

「そ、そんなことないですよ」

こうちゃんさんの誕生日プレゼントが入ってるから、なんて言えない。朝から好きな人と話せるなんて今日はとてもラッキーかもしれない。

「そうだ、Aちゃん、ちょっとこれ見直してくれる？」

「はい、、これって私の記事ですね」

「うん。よーく見てね」

ん？と思いながら最初から見直していくけど特におかしなところは見当たらない。でも戻ってきたということはどこかが抜けているはずで、、

「あ、すみません！すぐに直します」

「今日中なら大丈夫だからね」

見つけた誤字を直してこうちゃんさんに再提出をしてOKを貰えた。きちんと確認したはずなのに、と上がっていた気分は沈んでいく。こんなミスしてたら呆れられてしまうんじゃないかな、、

「はあ、」

「なに落ち込んでんの？」

「乾くん、」

「こうちゃんと朝から話せて良かったじゃん」

「そうなんだけどさ、」

同い年で何かと話が合う乾くんは私の良き相談相手。乾くんのおかげでこうちゃんさんと話せるようになったと言っても過言ではない。

「プレゼント用意出来た？」

「出来たけど、本当にこれ大丈夫かな？」

「大丈夫！インパクトって大事だし、あとはタイミングだね」

色んな人が朝から帰りまで近くに居るから２人きりになれる時なんかないんだろうな。










「誕生日おめでとう！」

「ありがとうございます」

色んな人から声を掛けてもらえる誕生日、後輩も先輩からもプレゼントを貰えたりするけど、気になる後輩からはまだ“お”の字も聞けていない。

「はあ、乾は良いよな。気兼ねなく話せてさ。同い年の特権？俺だってまだ若いはずなんだけど」

「あー、嫉妬？そんな心配しなくても大丈夫ですよ」

ぱち、とウインクをきめる乾が恨めしく見える。再び大きくため息をついたところで乾がAちゃんを呼んできた。

「あの、こうちゃんさんお誕生日おめでとうございます！」

「ありがとう」

「誕生日プレゼント、良かったら受け取ってください」

細長い包みを手に取るとAちゃんは顔を赤く染めて早々帰ってしまった。気になる子からのプレゼントはめちゃくちゃ嬉しい。

でも、

「何でフランスパン？」

「フランスパンの日なんで」

「お前の差し金か！！」








▽▽
こうちゃんハピバ！

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