フラクタル構造とはなんぞ？２

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まだ24歳の気分と言っちゃう彼も本格的にアラサーに入り、スキンケアや頭皮ケアに更に力を入れている模様。

「Aちゃんって何の化粧水使ってるの？」

「伊沢さんにそんなこと聞かれる日が来るとは、、」

「いいじゃん、教えてよ」

同世代から比べてもそこまでメイクやスキンケアに乏しい私が彼に答えられることなんて本当にない。もっと詳しい人に聞くべきです、なんて毎回同じ解答をする。

「Aちゃんの肌すべすべじゃん。羨ましいなって」

「伊沢さん、さすがにその発言は気持ち悪いですよ？」

「乾だってそのうち同じ悩みを抱える日が来るから」

「僕、まだ若いんで」

「そんなこと言ってられるのも今のうちだからな！」

さすがに20代前半と後半では肌の質は変わる気がする。数年前は乾燥とかそんなに気にしなかったのに、今やハンドクリームは手放せないし、フェイスパックもこまめにするようになった。

「ちょっと出掛けてきます」

「おう、気を付けてね」

隣の須貝さんに声を掛けて、乾くんに絡んでる社長の目を盗んで外へ出る。向かう先は近くのドラッグストアー、陳列されている一品を手に取り会計してもらう。

帰ってもまだ乾くんに絡んでるどころか河村さんをも巻き込んでいる。河村さんも色白で綺麗だもんなあ、、

「伊沢さん、これあげます」

「ん？あれ、Aちゃんこれ、どうしたの？」

「誕生日プレゼントです」

綺麗に包装するなんてズボラな私には似合わない。買ってきたままのビニール袋を受け取った伊沢さんは中身を恐る恐る確認する。

「これ、は？」

「私が愛用している保湿ジェルです。化粧水も大事ですけど保湿も大事なので」

「そのまま渡すのAさんらしいですよね」

「乾くんも若いうちからちゃんとしておかないと」

「僕ちゃんとしてまーす。須貝さん見習ってるんで」

「そこは“伊沢さん”って言わないんだね」

呼んだ？なんてノリノリな須貝さんもスキンケア談義に参加してしまうこの会社は、ストッパーが居ないと本当に自由気ままな気がする。そこが良いところであるけど。

「Aちゃんから誕生日プレゼント貰えるなんて、明日は台風かな？」

「そんなこと言うなら返してください」

「だめ！もう貰ったもん！」


大人なのに、どこかあどけない感じも残ってる社長も好きですよ、なんて。絶対調子に乗るから言ってあげない。









▽▽
日曜日なのに仕事？というツッコミが来そうなので捕捉すると月曜日の仕事中という設定でございます。

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