見た目によらない(ymgm) ページ39
昼休み、いつも混雑している食堂の一角はそこだけ切り取られているような、透明な壁があるようにぽつん、と席が空いている。
今の時期天気が良いときは最高の日向ぼっことなるその席、まあ普通の４人掛けのテーブルだけど、そこは使ってはいけないという暗黙の了解があった。
詳しくはわからないけど、入学してしばらくしてから先輩とか同級生からの噂で聞いた。
さて、そこ以外に空きが見つからない場合はどうしたものか、、話で盛り上がっているグループ内に入っていく勇気なんてないし。
「あれ、山上？」
「林さん！食堂で会うなんて珍しいですね」
「確かに。どうかした？」
「結構埋まってるなって、、」
お盆を持って立ちすくんでいれば、同じように昼食を持った林さんと会った。
「あ、あそこ空いてるじゃん」
「え！？あそこは、、」
「ほら、午後の授業遅れるぞ」
林さんに続いて歩くけど、やっぱりこの席に座るのは抵抗があり立ったまま。林さんは普通に座っているけど。
「どうした？」
「や、、あの、ここって使ったらダメみたいなこと聞いたことあって」
「ん？、、ああ、Aが居なきゃOKだよ」
「A、、さん？」
誰ソレ？状態の俺の横に人の気配を感じた。
「林、なにしてんの？」
「他に空いてなくてさ、ちょっとお邪魔させて」
「別に構わないけど、、彼は？」
「俺の後輩。山上って言うんだ」
「へー？」
ナチュラルに会話する林さんに付いていけなくて、座れば？と２人に促されて林さんの隣に座った。
「なんか、、視線が痛いんですけど」
「あー、それは」
「私のせいじゃないからね」
「いやお前だろ」
林さんと親しそうな彼女はむすっとして文庫本を取り出した。凛とした姿が絵になるな、なんて思った。
「Aの定位置なんだよね、ここ」
「えっと、林さんのお友達で？」
「同じ授業多くて仲良くなってさ。なんかここで本読んでるの恒例化してたら誰も寄り付かなくなったらしくて」
「、、わからなくもないですけどね」
正に“華”であるその姿は近寄り難くて、異次元と言えるだろう。
「見た目に騙されてるよなぁ」
「林？」
「お前の外面の良さのせいでもあるからな？」
「そのまま返してやる」
「俺は普通です」
「普通って誰基準やねん」
言い合う先輩らを少しばかり羨ましいと思うのは気のせいだろうか。
▽▽
アンケートご協力頂きありがとうございます。意外な接戦で驚いてます。
同時進行覚悟せねば？
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にゃにゃ(プロフ) - ありがとうございます。ハマったところにこちらに出会えまして、あまりの幸せにめまいがしています。本当に素敵なお話たち。こんなにときめくと思いませんでした。ありがとうございます(ToT) (2021年11月8日 16時) (
レス) id: 2ad0412afb (このIDを非表示/違反報告)
亜杞(プロフ) - にゃにゃさん» そちらでしたか！１年前のお話でしたから書いた本人も忘れてましたwのんびり楽しんでくださいね！ (2021年11月8日 16時) (レス) id: 892b969d86 (このIDを非表示/違反報告)
にゃにゃ(プロフ) - 勝手がわかっておらずすみません。初めてこういう世界を知ったところで興奮状態で書き込んでおりました。「悪戯」の感想でした！読むお話が全部素敵で、少しずつ大切に読ませていただいてます。また感想書かせていただきます。 (2021年11月8日 16時) (レス) id: 8b6663a836 (このIDを非表示/違反報告)
亜杞(プロフ) - にゃにゃさん» コメントありがとうございます！「関係性」についての感想ですかね？kwmrさんぽい、と読者さまによく喜んで頂いております。他にもたくさんコメントありがとうございました！ (2021年11月8日 13時) (レス) id: 892b969d86 (このIDを非表示/違反報告)
にゃにゃ(プロフ) - 最後のところでたまらず声が出ちゃいました。河村さん、、！！皆の反応もほんとその通り、脳内再生されました。楽しいですね！ありがとうございました。 (2021年11月8日 10時) (レス) @page14 id: 8b6663a836 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜杞
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作成日時：2020年10月30日 0時
