続き ページ32
「答えは、わかってるから」
本当は聞きたくなかった。だけど、最後のケジメとして、前に進む為に俺は賭けに出た。
「だから、、言ってくれへん？」
「わ、、私も、、好き、、、だったよ」
「っ、うん」
「川上のこと、本当に好きだった」
涙を目にいっぱい溜めて、瞬きしたら落ちてしまうんじゃないかって思うほどの表情は俺の心にグサリと刺さる。
「なあ、１つだけ、、最後に抱き締めさせてくれへんかな？」
「、、それは、ダメだよ。こうちゃんにも悪いし、川上が辛くなるだけだよ」
胸が熱くなるって、こういうことなんかな？
「ほんと、何で俺はもっと早く行動せんかったんかな」
本当なら叶うはずだった恋、両思いやってタカをくくってた自分の落ち度。
「じゃあ、せめて握手だけ。それなら、、ええやろ？」
触れたくても触れられなかった君へ、最後だから、、と伸ばされた手を引き寄せた。
「川上っ、！」
「ごめん。これで俺のこと嫌いになって」
腕の中に閉じ込めたAは少しだけ抵抗をして、
“こうちゃん”
と、呟いたから解放した。
「ごめん、、ありがとうな」
「川上なんて、嫌い。だいっ嫌い」
「俺も、、Aのことは嫌いや」
俺のことを好きじゃなくなったお前なんか、、だいっ嫌い
精一杯の強がりを伝えて、俺は彼女が求める人物と交代した。
「そんな泣くほど好きだったんだ」
「うるさいですよ、伊沢さん」
「不器用だからね、川上は」
「福良さんだって変わらないでしょ」
「俺の胸かしてやるぜ？」
「そういうのは女性にやるものですよ、須貝さん」
「強がっちゃって！」
「河村さんに何がわかるんですか」
茶化しているのか慰めているのかわからない先輩たち、
「川上さん、、お疲れ様でした」
「いっぱい話聞いてくれて、ありがとうな」
「ぼ、僕は何も、、」
「それでも俺はお前に救われてたで」
仲良しなこうちゃんと板挟みにしてしまった山本には感謝してもしきれへん。
「ほんま、、ありがとうっ」
「川上さんっ！」
溢れた涙を受け止めてくれたのは他でもない苦楽を共にした仲間だった。
沢山のイイ人と出会えた俺は幸せやと思う。
▽▽
補足的な４でした。３までだと物足りなさがあると思うので書いちゃいました。
長編候補として書きたかったこのお話は、実体験に近いものでした。細かい描写を入れつつ20話くらいで書きたかったなあ、、なんて。
好きな人と結ばれる、社会人になると難しいものです。
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にゃにゃ(プロフ) - ありがとうございます。ハマったところにこちらに出会えまして、あまりの幸せにめまいがしています。本当に素敵なお話たち。こんなにときめくと思いませんでした。ありがとうございます(ToT) (2021年11月8日 16時) (
レス) id: 2ad0412afb (このIDを非表示/違反報告)
亜杞(プロフ) - にゃにゃさん» そちらでしたか！１年前のお話でしたから書いた本人も忘れてましたwのんびり楽しんでくださいね！ (2021年11月8日 16時) (レス) id: 892b969d86 (このIDを非表示/違反報告)
にゃにゃ(プロフ) - 勝手がわかっておらずすみません。初めてこういう世界を知ったところで興奮状態で書き込んでおりました。「悪戯」の感想でした！読むお話が全部素敵で、少しずつ大切に読ませていただいてます。また感想書かせていただきます。 (2021年11月8日 16時) (レス) id: 8b6663a836 (このIDを非表示/違反報告)
亜杞(プロフ) - にゃにゃさん» コメントありがとうございます！「関係性」についての感想ですかね？kwmrさんぽい、と読者さまによく喜んで頂いております。他にもたくさんコメントありがとうございました！ (2021年11月8日 13時) (レス) id: 892b969d86 (このIDを非表示/違反報告)
にゃにゃ(プロフ) - 最後のところでたまらず声が出ちゃいました。河村さん、、！！皆の反応もほんとその通り、脳内再生されました。楽しいですね！ありがとうございました。 (2021年11月8日 10時) (レス) @page14 id: 8b6663a836 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜杞
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年10月30日 0時
