趣向を凝らして(kwmr)☆ ページ22
河村さんとデート、とはいえ今居るのは彼の家。彼は一般人な私とは違って顔も名前も世界に公表しているわけで、大抵お家デートが基本。
でもたまには外に出たい、ということで私の作戦実行です。
「今日はドライブしません？」
「ドライブって、誰が運転するのさ」
「もちろん私が」
「、、免許持ってたっけ？」
「持ってますよ！なんならゴールド免許ですからね」
私の地元では18歳になると車の免許を取るのが一般人。だから私も免許はあるし、無事故無違反だからゴールド免許でもある。
「ほらほら、もう車は駐車場にあるので」
「これ僕が断ってたら車どうする気だったの？」
「え？無理矢理連行するつもりでしたけど？というか河村さんが断るわけないですから」
「その自信はどこから来るのか」
「だってなんだかんだ言いつつ私のこと好きですもんね？」
「調子に乗るな」
ぴし、と軽くデコピンされたけど痛くはないし、白い肌が赤くなっているから結局は事実なのだろう。
「着きました！」
「、、ねえ、本当にバカになった？」
「ん？」
「なんでこんな寒い日に海なんだよ」
外気温は13度、目の前には夏場は人で溢れる海水浴場。もちろんこの寒い時期に人は居ないし、駐車場もガラガラ空き。私達以外はゼロ。
「河村さんと海に来たかったから」
「はあ？」
「じゃあ真夏の暑い人混みの中に一緒に来てくれましたか？」
「えー、、だったら今の方がマシ」
「でしょ？」
渋々納得させて外に出る。
幸い風はないけど、潮風はやはり冷たく感じる。それでもしっかりと繋がれた手は河村さんのコートのポケットの中で暖かい。
途中に見つけた海に向いているベンチに寒いからくっついて座る。
「物好きだね、Aは」
「そうですか？」
「寒いのに海にわざわざ来たり、僕を好きになったり」
「それなら河村さんの方が物好きですね。こんな私を好きなんですから」
「ほんと、、どこで間違ったんだか」
あーあ、なんてわかりやすくため息ついてみせるけど、笑いながら冷たい手を私の頬に添える。
「僕は案外しつこいですよ？」
「そんなところが好きなんですよ」
私も冷たいままの手を彼の手に乗せ、そっと唇に触れた。
「一応外なんだけど」
「誰も居ないんだからいいじゃないですか」
「それもそうか」
再び近付いた彼の綺麗な顔は先ほどの何倍も長く私の目の前にいた。
▽▽
匿名様よりリクエスト頂きました！冬の海、なかなか穴場ですよね。
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にゃにゃ(プロフ) - ありがとうございます。ハマったところにこちらに出会えまして、あまりの幸せにめまいがしています。本当に素敵なお話たち。こんなにときめくと思いませんでした。ありがとうございます(ToT) (2021年11月8日 16時) (
レス) id: 2ad0412afb (このIDを非表示/違反報告)
亜杞(プロフ) - にゃにゃさん» そちらでしたか！１年前のお話でしたから書いた本人も忘れてましたwのんびり楽しんでくださいね！ (2021年11月8日 16時) (レス) id: 892b969d86 (このIDを非表示/違反報告)
にゃにゃ(プロフ) - 勝手がわかっておらずすみません。初めてこういう世界を知ったところで興奮状態で書き込んでおりました。「悪戯」の感想でした！読むお話が全部素敵で、少しずつ大切に読ませていただいてます。また感想書かせていただきます。 (2021年11月8日 16時) (レス) id: 8b6663a836 (このIDを非表示/違反報告)
亜杞(プロフ) - にゃにゃさん» コメントありがとうございます！「関係性」についての感想ですかね？kwmrさんぽい、と読者さまによく喜んで頂いております。他にもたくさんコメントありがとうございました！ (2021年11月8日 13時) (レス) id: 892b969d86 (このIDを非表示/違反報告)
にゃにゃ(プロフ) - 最後のところでたまらず声が出ちゃいました。河村さん、、！！皆の反応もほんとその通り、脳内再生されました。楽しいですね！ありがとうございました。 (2021年11月8日 10時) (レス) @page14 id: 8b6663a836 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜杞
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年10月30日 0時
