予告(ymmt) ページ20
「あれ、まだ帰らないの？」
「あ、山本くん。うん、お迎え待ち」
「もしかして彼氏？」
「まさか、親が迎えに来てくれるって言うけど、まだ来ないんだあ」
放課後の教室、１人でぼーっとしていれば部活途中であろう山本くんが教室に来た。
「山本くんは？」
「忘れもの。終わってからだと遅くなっちゃうから休憩時間に取りに来たんだ」
「さっき走ってるの見えたよ。私はあんな風に走れないから凄いなって思った」
「ええー、恥ずかしいなあ」
えへへ、と可愛い笑顔を見せる山本くん。
絶対その辺の女子より可愛い。
「じゃあね、気を付けてね」
「山本くんは部活頑張ってね」
にこ、と笑って手を振る彼はやっぱり可愛い。
「ふふ、懐かしいなあ」
「ん？どうかした？」
ふと、中学生時代のことを思い出す。隣の山本くんはきっと、覚えてないんだろうなあ。
高校は違ったけど、大学は私も早稲田に進学した。学部こそ違えど、運もあってか今は同じ会社に就職した。
「帰らないの？」
「迎えに来てくれるから」
飲み会終わり、実家暮らしの私たちは最寄り駅も同じ。改札を抜けて、外が見える位置で立ち止まると、山本くんも隣に立つ。
「、、彼氏？」
「そんな人居ないこと山本くんが一番知ってるくせに」
こうして一緒に帰ることも珍しくないし、今日は時間が遅いから迎えに来てくれるだけで、普段なら一緒に歩いて帰る。
彼氏が居たら一緒に帰るなんてことしないし、なんなら私の好きな人は隣に居る山本くんだったりする。
「山本くんこそ、帰らないの？」
「ん？」
「お迎え待ち？彼女、とか」
「まさか。Aちゃん１人で待ってるの怖いかなって」
わりと大きな駅ではあるし、人通りも少なくない。だからナンパしてくる人とか、軽く酔っぱらいとか、１人だと絡まれやすい。
過去にもまあ面倒な絡まれ方をして、その時助けてくれたのも山本くんだった。
「ありがと、」
「どういたしまして」
大人にはなったけど、やっぱり山本くんの笑顔は可愛い。
「Aちゃんは覚えてないかもしれないけどさ、中学生の時も同じような会話したよね」
「、、え」
「覚えてないよね。僕はね、あの時ちょっとだけ２人で話せたこと嬉しかったよ」
覚えているよ、私も嬉しかったよ、そう思っているのに言葉は出てこなくて。
「今もこうして隣に居ることが嬉しいな、って言ったら困る？」
「困らない、です」
「ね、今度デートしない？この続きはその時に話すから」
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にゃにゃ(プロフ) - ありがとうございます。ハマったところにこちらに出会えまして、あまりの幸せにめまいがしています。本当に素敵なお話たち。こんなにときめくと思いませんでした。ありがとうございます(ToT) (2021年11月8日 16時) (
レス) id: 2ad0412afb (このIDを非表示/違反報告)
亜杞(プロフ) - にゃにゃさん» そちらでしたか！１年前のお話でしたから書いた本人も忘れてましたwのんびり楽しんでくださいね！ (2021年11月8日 16時) (レス) id: 892b969d86 (このIDを非表示/違反報告)
にゃにゃ(プロフ) - 勝手がわかっておらずすみません。初めてこういう世界を知ったところで興奮状態で書き込んでおりました。「悪戯」の感想でした！読むお話が全部素敵で、少しずつ大切に読ませていただいてます。また感想書かせていただきます。 (2021年11月8日 16時) (レス) id: 8b6663a836 (このIDを非表示/違反報告)
亜杞(プロフ) - にゃにゃさん» コメントありがとうございます！「関係性」についての感想ですかね？kwmrさんぽい、と読者さまによく喜んで頂いております。他にもたくさんコメントありがとうございました！ (2021年11月8日 13時) (レス) id: 892b969d86 (このIDを非表示/違反報告)
にゃにゃ(プロフ) - 最後のところでたまらず声が出ちゃいました。河村さん、、！！皆の反応もほんとその通り、脳内再生されました。楽しいですね！ありがとうございました。 (2021年11月8日 10時) (レス) @page14 id: 8b6663a836 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜杞
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年10月30日 0時
