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演奏が終わり指揮者だけがお辞儀をする
それが私たちの勝負の終わりの合図
それと同時に私の夏も終わった。
もう二度とこの景色を見れる日は来ない。
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優「A」
私を呼ぶ優来の優しい声で我に返る
その瞬間に現実に巻き戻ってきた気がした
『…優来、私ダメダメやった』
『大吾の事とか関係なしに、いざ舞台立つと思うようにいかんくて、』
『悔しいわ…』
今にも泣き出しそうな私を力強く抱きしめてくれた
優「ほんまによう頑張った
結果はまだ分かれへんやろ? 落ち込むなアホ!」
『っ…そう、やんな。ありがとお』
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優来はそう言ってくれたものの、練習の成果が発揮されていなかったのは一目瞭然だった。
結果、銀賞。
県大会への道は呆気なく閉ざされた。
先「みんなお疲れさん 金賞まであと1点でした
……すっごい悔しい みんなを、今日で最後のAを県大会に連れてくことが出来へんくてほんまに先生悔しい」
先「けど、今日の演奏はすっごく感動した
審査員の人には届かへんかったかもしれんけど、先生には届いたで。 みんなの気持ち。
素晴らしい演奏を、素敵な夏をくれたみんなにありがとうと伝えたいです。」
溢れ出そうになる涙をグッと堪える
最後の最後でメソメソするなんてかっこ悪い。
先「ほんまにありがとう お疲れ様でした
じゃあみんなそれぞれ気をつけて帰りやあね」
「「「『はい!!』」」」
私の青春は幕を閉じた。
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作者名:くる | 作成日時:2018年6月6日 23時