29 ページ29
．
駅を乗り継いで大阪の中心部にやってきたけど、忙しなく動き続ける人々になんだか酔ってしまいそうな気分。
駅から近くの韓国料理屋さんに入って お互いの顔が見えるように座った。
昼から韓国料理は荷が重いけど チャンジャを前に嬉しそうにはしゃぐ大吾の姿を見れば まあいいかな、なんて。
大「明日から学校行けるなんて幸せやわ」
『ふふ、ニヤけ顔きついわあ』
大「うっさいわ。
7月ぶりに学校行くとかやばない？」
『まあせやな。 なーんも変わってへんで
しいて言うなら重岡がちょっと太ったくらい』
大「それは死ぬほど共感やわ
俺が餌与えすぎた」
『なんやねん、犯人自分やったん？(笑)』
そんないつも通り他愛もない会話。
何も変わってない、
大吾はきっと 私と優来の距離を見て 私の嘘に気づいてしまうんだろう。
私って意外と嘘つきやねん。
自分を守るために 嘘を簡単についてしまう人やねん。
そんな私が彼の隣に居ていいのだろうか。
私なんかより優来の方が、
次の言葉を考えようとして やめた。
．
大「なあプリクラ撮ろうや」
『え？』
嬉しそうに笑窪を作った大吾は小動物のように可愛くて、けど大吾って写真とかあんま撮るタイプやないのに 急にどうしたんやろ。
大「やっぱ頭の記憶に残すより 形として思い出に残したいやん？」
『別に残さんでも、十分記憶に残ると思うねんけど』
そこまで言って ハッとした。
少し無神経すぎたかな、と胸が苦しくなる。
だって大吾が あまりにも辛そうな顔をするから。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 103人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
けーぽ(プロフ) - 気付かんうちに大号泣しとった。映画でも、こんなに泣いたことないってくらい泣いてました。 (2019年10月15日 8時) (
レス) id: 386d70d567 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ☆ - Part1の後半位から、ずっと泣いてて、ここまでの感動作品は、読んだことないです！ここから、どうなるのか、楽しみです！ (2019年10月12日 22時) (レス) id: 38f9af8661 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くる | 作成日時：2019年8月29日 3時
