【名探偵コナン夢】赤きビューローさんへ２

episode 69 ページ28

「いやー、さ、さすがに、その。初めての方にご馳走になるわけには、あはは」

めっちゃ歯切れの悪い答えに、沖矢さんは笑顔を絶やさず。

沖矢「私は構いませんよ。甘いものが苦手なのに沢山いただいてしまって。よければ、コナンくんたちもどうですか？」

コナン「あ！僕そろそろ帰らないと」

灰原「私もパス。博士の手伝いの途中だったから」

「え゛…」

沖矢「では、Aさんだけでも。賞味期限が近いですし、捨ててしまうのも勿体ないので。このカレーは君にたくしますね、博士に渡してください」

哀ちゃんはカレーを受けとると、キッチンへ置きに行くためにきびすを返した。

灰原「とりあえず、無事で良かったわ。また話しましょ」

そう言って。

コナン「じゃあ僕も帰るね！Aさん、またなー」

え゛

コナンくんも手をふると帰っていってしまう。

沖矢さんが「さあどうぞ」とエスコートというなの誘導をするので仕方なくそれに従い工藤邸に足を踏み入れるのだった。



沖矢「………」

「……」


現在お互いに向き合っています。

沖矢「はぁ…」

「…っ」

びくっと反応する。

沖矢「A」

「…あ、かいさん……」

沖矢「気づいているなら、俺を隠す必要はないな」

目の前が涙でかすむ。怖いけど、ずっとずっと会いたかった人。アイリッシュの辛い遊びも、組織の嫌な仕事も全部耐えられたのは赤井さんにまた会いたいって願ったからだ。

沖矢さんはべりっと変装を外すと、ゆっくりと近づきぎゅっと強く抱き締めた。

赤井「もう、2度と会えないのかと思ったぞ」

大好きな声。大好きな匂い。
あぁ、また会えた…。

「あ、赤井さん！赤井さん、赤井さん」

赤井「心配ばかりかけるな、Aは。俺の身が持たん」

ぎゅうっとしがみついて、子供みたいに泣きじゃくった。赤井さんもよしよしって、あやすみたいに頭を撫でて、甘やかしてくれる。

「会いたくて、赤井さんにっ。会いたくて…」

赤井「俺もだ」

そして、キスをする。
ついばむようなキスも、とろけるようなキスも赤井さんから与えられるもの全てがいとおしい。


赤井「2度とお前を離さん。お前は俺のものだ」

「へへ、私は赤井さんのものだよ」

端から見ても見たくても甘ったるい雰囲気が流れる。すごく幸せだ…。だが、私はこの時忘れていた。赤井さんが独占欲がつよく、鎖で縛り付ける位想いを寄せる人であることを。

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