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その頃、ディアソムニア寮ーー
その瞬間は突然だった。
Aが、僕を呼ぶのは分かっていた。いつもなら協力してやる……いや、今回もそうしようと思ったが、気がつけば僕は彼女と通じている指輪に魔力を込めるのを辞めていた。
「助けてやらぬのか？マレウスよ」
「…リリア」
どこからか僕の部屋に侵入したリリア。
窓際に立つ僕へ静かに視線を向けた。
「ピンチというやつじゃろう？」
「分かってはいるさ。Aには、僕の力が必要なことも…」
「ならば、マレウスはAが傷ついてもそれは当然の報いだと？」
「それは違う。だが……、僕は彼女を怖がらせてしまった。Aは、あの日、茨の谷に来た日、僕のことを覚えてはいなかった。約束も……。だから、これからは、少しでも彼女が安心して暮らせるように僕がそばで守ると決めた…なのにっ」
僕は頭を抱えてうずくまる。
正直アーシェングロットには関わらないでほしい。彼は、Aのことを、君を僕から引き離す男のことを知っているから。
もし、彼女に記憶が戻れば、僕の母上とその男の゛永遠の約束゛が作動してしまう。
僕とAの約束よりも先に交わされた、この魔法の根元とも言える約束が……。
「失いたくない。僕はAのことが、いとおしくて堪らない。僕のすべてをかけて愛したい…僕との約束こそ真の…」
「マレウス、それ以上を口にしてはならぬ！」
リリアの声に慌てて口を紡ぐ。
「わかっている、リリア。……すまない」
「Aの記憶には触れてはならぬ。分かっていよう？もし、触れて彼女がすべてを思い出せばもう戻れぬ。隣で他愛もない会話をして笑う、そんな日常には戻れぬ」
僕は項垂れる。ずっと隠してきた。Aがどんなに好きと言っても僕は応えない。
彼女がユニーク魔法を使いにくそうに使っているのにも、目をつむってきた。本当の詠唱を唱えない代償が大きく、沢山魔法力を使うと倒れてしまう事実を知っているのに。
「僕は最低だな」
「そう思うなら、助けよマレウス。Aはあんな大したことない事に一々目くじらは立てぬよ。ほれ、マレウスの力を分けてやるのじゃ。でなければ、オーバーブロットを止める手段はあるまい」
リリアの言葉にそれもそうだと、思い直した。彼女を傷つけたいわけじゃない。むしろ、守りたくて遠ざけたかった。でも僕は自分で思うよりもAが必要らしい。
「汝の呼び掛けにこたえよう」
僕が魔法力を与えようとしたその瞬間ーー
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桜澤(プロフ) - レオナ先輩も…マレウス様も…大切だからこそ…思うことがあるし、守りたいんだなぁあ……愛されてる主人公…苦しみが少しでも和らぐといいな…といろいろ思いました。お久しぶりです！また何回も見にきますよー！(⌒▽⌒)わーい (2021年4月7日 11時) (
レス) id: 20b9b01cf5 (このIDを非表示/違反報告)
恋桜(プロフ) - ユノさん» ありがとうございます。更新は遅いですが、気長にお待ちください！ (2021年3月20日 19時) (レス) id: ae2ba33378 (このIDを非表示/違反報告)
ユノ - 分かりました、更新頑張ってください応援してます (2021年3月20日 14時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
恋桜(プロフ) - ユノさん» ユノ樣 閲覧ありがとうございます。イメージですか…。以前にも皆様からご要望を受けてはいるのですが、私は絵が不得意なもので、誰かにお願いしないと難しいです。どうぞ、好きなように想像してお楽しみください。 (2021年3月20日 14時) (レス) id: ae2ba33378 (このIDを非表示/違反報告)
ユノ - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2021年3月20日 14時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恋桜 | 作成日時：2020年11月3日 22時
