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勢いよく抱きついた私にマレウスは一瞬動きを止めたものの、小さな子供を落ち着かせるように背中をぽんぽんとリズミカルに軽く叩き始めた
「随分長い眠りだったな、A。待ちわびてしまったぞ」
その声には怒りはなく、どこか安堵している様子だった
私はただ、見た夢のせいで不安の方が大きく抱きついたマレウスの服を握りしめることで精一杯だ
「良かった、もう目を覚まさぬのかと思った」
リリアもシルバー、セベクもすぐに駆けつけてくれたけど、私にはみんなに話しかける余裕はない
腕のなかで震える私に、マレウスはあやすのは止めず、口を開いた
「リリア。Aのことは僕が見よう。シルバーたちを連れて授業へ行ってくれ」
「む、しかし……ふむ。分かった。シルバー、セベク行こう。Aまたあとでのぉ…ｯ!?」
リリアは何時ものように私の頭を撫でようと手を伸ばしただけだろう。私はそれに対してビクッと怖がるそぶりを見せてしまった
リリアは驚いたように目を丸くする
「A？」
マレウスも少し驚いたのか、声をかけてくれる
「すまん。わしが見えないところから手を出したから驚いたのじゃろう。マレウス、Aを頼むぞ」
リリアはそういうと、皆を連れて部屋を出てくれた
マレウスは変わらず背中を叩いたり、撫でたりしながら私が落ち着くのを待ってくれた
「あの…」
「ん？少し落ち着いたか？」
おずおずと顔を上げた私に、彼は手を止めた
「すみません…でした」
「そうだな」
「長く寝てしまったんですよね？」
「２週間くらいだが…」
マレウスの瞳からは怒りは感じられない
でも、寂しそうなその瞳に私は自分のしたことを悔いる
「…ごめんなさい」
「もう、それはいい。よく戻った」
マレウスは優しくだが力強く私を抱き締めた
「お前を夢で見た……なんども。その度に、僕に背を向けてどこかへ行ってしまう。もう２度と僕をその瞳に写してはくれないのかと思った」
「夢……。あの、マレウス…」
「なんだ？」
「変なことを聞くんだけど…、マレウスと初めてあったのはあの茨を抜けてお城へ行ったときだったのかな？それ以前に会ってるってことは…ない、かな？」
その問いにマレウスは、はて？と首をかしげた
「Aの魔法力は少し変わっている。もし、以前に会っていれば忘れるはずはないと思うが…何故そんなことを聞く？」
「あ、あのね…」
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桜澤(プロフ) - レオナ先輩も…マレウス様も…大切だからこそ…思うことがあるし、守りたいんだなぁあ……愛されてる主人公…苦しみが少しでも和らぐといいな…といろいろ思いました。お久しぶりです！また何回も見にきますよー！(⌒▽⌒)わーい (2021年4月7日 11時) (
レス) id: 20b9b01cf5 (このIDを非表示/違反報告)
恋桜(プロフ) - ユノさん» ありがとうございます。更新は遅いですが、気長にお待ちください！ (2021年3月20日 19時) (レス) id: ae2ba33378 (このIDを非表示/違反報告)
ユノ - 分かりました、更新頑張ってください応援してます (2021年3月20日 14時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
恋桜(プロフ) - ユノさん» ユノ樣 閲覧ありがとうございます。イメージですか…。以前にも皆様からご要望を受けてはいるのですが、私は絵が不得意なもので、誰かにお願いしないと難しいです。どうぞ、好きなように想像してお楽しみください。 (2021年3月20日 14時) (レス) id: ae2ba33378 (このIDを非表示/違反報告)
ユノ - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2021年3月20日 14時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恋桜 | 作成日時：2020年11月3日 22時
