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彼 は 彼女 を抱えて自身の住まう城内の回り階段をゆっくりと登る。その心地よい振動に彼女 は時々彼の胸にすり寄るような動きをした
「まるで、小動物だな」
顔にかかった髪を、そっと払ってやると身動ぐ。それがなかなか面白くすりすりと手を這わせれば今度はしかめっ面をし始めた
「ふはは、面白い」
「何が面白いのじゃ？マレウスよ」
彼女 で遊びながら階段を登っていると、正面から声をかけられた
「リリア。これを拾った…これは面白い、気を失っているというのに色んな表情をする」
「ん？って、マレウス。それは人間じゃぞ？拾ってきたではなく、誘拐になる。はやく返して来た方がよい」
「…これ は僕のものにする」
「なんと？ふむ…」
「うっ」
彼女 は痛そうに右手で左腕を掴んで、眉間にシワを寄せた
「痛むのか…リリア、手当てを」
「よく見れば、傷だらけじゃの。茨を掻き分けてきたのか？よし、こっちじゃ」
リリアは連れてきたことに納得してない様子だったが、傷があることがわかるとリビングへ招き入れた
彼女 をソファにゆっくりと寝かせる
「治癒魔法でよいかの。人間は驚くじゃろうか…まあ、こやつもなかなかの魔力を持っておるし…。マレウス、こやつはわしが治しておこう。シルバーが探しておったぞ？用を済ませてくるとよい」
「……僕は」
「ほれ、行けマレウス。治療の邪魔じゃ」
そういうと、リリアはそそくさと僕を追い出して扉を閉めた。
「はぁ……」
仕方がない、目覚めるまで話はできない
シルバーの用件を聞きに行くとするか、と考え直しまた階段を下った。
その頃リビングでは
「随分と傷が多いのぉ。お主、もう目を開けてもよいぞ？ここにはわししかおらん。あの男はもう居ないでの、怖がらなくてもよい」
その声にそろそろと目を開ける。
目の前には、女性のような見た目のおじいちゃん口調の人がひとりだけ。
「えっと…」
キョロキョロと辺りを見回すが、知らない場所だ
「ここは茨の谷内にある、城じゃ。お主、ここへは近づいてはならぬという掟を知らぬのか？ここへきた人間は久しく居ないぞ」
その人は、呆れたようにそう話しかけてきた。
「知ってる…ます。掟のこと……。でもそんなの信じたくなくて…。それに…その……うっ、いたっ」
ｽﾞｷｯと痛みがあり、左腕を掴む。ギリギリと締めつけつつ痛みに耐えていると
「ふむ、そうじゃったな。ほれ」
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恋桜(プロフ) - 桜澤さん» コメントありがとうございます。是非これからも楽しんでもらえたらと思います。 (2020年7月27日 15時) (
レス) id: ae2ba33378 (このIDを非表示/違反報告)
桜澤(プロフ) - みてて、なんだか、自分の頭の中でイメージがしやすくてずっと入ってきました。続きもこれから見ていきます！頑張って下さい！！(現在ep1中) (2020年7月27日 1時) (レス) id: 20b9b01cf5 (このIDを非表示/違反報告)
恋桜(プロフ) - 翡翠さん» ありがとうございます！励みになります。これからもどうぞよろしくお願いします！ (2020年7月9日 10時) (レス) id: ae2ba33378 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - とっても面白い！！！頑張ってください！！！！！！ (2020年7月9日 9時) (レス) id: 4eae53d9fc (このIDを非表示/違反報告)
恋桜(プロフ) - ラムさん» ありがとうございます。少しずつ書いていきますので、気が向いたら読んでくださると嬉しいです。 (2020年7月4日 21時) (レス) id: ae2ba33378 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恋桜 | 作成日時：2020年7月3日 3時
