人狼ゲーム�� ページ7
「オオガミって名前は、自然と狼を連想させるものだろ？ ましてや、こんな状況下で、察しの良いお前らが気づかないわけないって、ちょっと考えたら分かるはずだ」
「……てめぇ、馬鹿にしてんのか？」
別に俺は、オオガミが何も考えていない馬鹿だと言うつもりはなかった。もしかしたらそうなのかもしれないとは思うのだが。
「オオガミが人狼だとして、自分が疑われる要素は、一つでも少なくしたいはずだ。なら、そんな名前を名乗ると思うか？」
「……た、確かに、極力疑われたくないわけですから、偽ろうと思いますね……」
「だろ？ 俺なら確実にそんな名前は名乗らないよ。ここは仮想空間なんだ、いくら偽名を名乗ろうと勝手だろ」
オオガミは何か言いたげにしたが、せっかくの俺のフォローを邪険にして、また疑われるのも癪だという風に口を閉ざす。
「まぁ、僕も話題に上がるような名前は、名乗らないでおこうと思うね」
「……あんたって、意外と気づけるのね。見かけによらずなかなかのものじゃない」
アネモネさんの言葉で、もしかして試されていたのは俺だったのでは？ と思う俺。
「み、見かけによらずは余計だよ」
「逆にそれを考えると、オオガミくんは人狼ではないという事になるね。人狼なら細かい所にまで気をつけるはずだからさ」
「俺が無粋みたいな言い方するなよ」
オオガミは少しイラついたように顔をしかめる。「容疑が晴れたのはラッキーだが、そもそもそんな理由で疑うかよ」とでも言いたげだ。
「でも反対に、それを読んで、あえて印象に残る名前を言ったって可能性もあるよね。人狼なら、自分が疑われる可能性を徹底的に排除するはずという、さっきのくじらくんの意見を利用してさ」
「んなわけねーだろ、どこの誰がこんな馬鹿げた理由で疑われると思うかよ！！」
反対……俺が先程考えた事の逆を行く理論だ。裏をかいた人狼の策略……。
「そんな事を考えてたら、結局誰も信用出来ないだろ！ ったく、話が難しいな……」
「当たり前だよ、これはそういうゲームなんだ。誰が嘘をついているのか、見極めないとね」
「……嘘……か」
俺がしばし考えた後に、ふと思いついた事。それが、俺には天啓のように感じられた。
「……皆、今自分の役職を知ってるんだよな？」
「は？ 当たり前だろ、知らなきゃ出来ねぇじゃねぇか！」
なら、俺のあの平和なカードは村人なのだろう。狼には見えなかったし。俺はぼそっと呟いた。
「……人狼は……サクライさんだ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くろーさぎ(プロフ) - みるくプリンさん» ありがとうございます……！！そう言って頂けると大変励みになります！閲覧ありがとうございます！(* > <)ﾍﾟｺﾘ (2019年8月10日 17時) (
レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - こんにちは。面白くて一気読みしました！普段、恋愛系の作品しか読まないのですが、こういうのも良いですね。これからも頑張ってくださいっ(*´∀`) (2019年8月10日 17時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - ランさん» コメントありがとうございます！！はい、更新頑張らせて頂きます！閲覧ありがとうございました！m(_ _)m (2019年7月2日 16時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
ラン(プロフ) - イベントの方から来ました。読ませてもらいましたが、人狼ゲームのお話はあまり読んだことがなかったのでとても面白いと感じました。更新楽しみにしています♪ (2019年7月2日 15時) (レス) id: 48cb23a0f9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
