処刑メモリアル�� ページ40
『投票結果を発表する』
「……」
うつむいたくらげさんの表情は見えない。手元で光る白いボタンに、俺はえも言われぬ罪悪感を感じていた。
『処刑先は、白澤 海月に決まった』
「……やっぱり、私じゃ駄目かぁ」
くらげさんは顔を伏せたまま、悲痛な声でぼそっと呟いた。ぱっと顔を上げれば、彼女と俺の目が合った。
「……くじらくんに、謝らなくちゃいけない事があるの」
「……な、何？」
くらげさんは、今にも泣き出しそうな顔で笑う。
「くじらくんだけじゃなくて、皆もだけど……皆をこのゲームに招待したのは、私なの」
「……え」
ごめんなさい、とぺこりと頭を下げるくらげさんに、俺はしばらく思考が追いつかなかった。
「……やっぱり。強制的に参加させられるなんて事、滅多にないのに」
稲妻が、呟くように言った。
「ごめんね。どうしても、知り合いの許可なく、ゲームに参加したかったんだけど……どうせなら憧れの人達を招いてやろうと思って」
「……あ、憧れの人？ ぼ、ぼく達が？」
うん、とくらげさんは頷く。ゲームに参加した時の俺を見て、憧れたという事か……？ でも、彼女はあのゲームにはいなかったよな……？
「“ミヅキ”をよろしくね」
彼女のその言葉は、どうやら俺にだけ向けられたわけではないようだった。
俺と、少し離れた場所に立っていたオオガミに、向けられた言葉らしい。
「……え？」
「この裏できっと凄い事が起ころうとしてるの。皆にはそれを伝えなきゃ」
少し焦っているのだろうか。くらげさんの口調が少しだけ強まったように感じた。
「人狼ゲノム事件、皆も知ってるよね。人狼症候群にかかった人、つまりは人狼ゲームマニアが、最近次々と謎の死を遂げているの。あれは、ある事が条件になってるんだよ」
「ある事？」
しばし黙ったままだったまことさんが、その部分にだけ反応した。
「例の事件の被害者の共通点といえば、人狼症候群患者である事くらいかと思っていましたが……他にもあるのですか？」
「うん。それは、ある特殊なゲームの参加だよ。その人狼ゲームでは、全員が強制参加させられていて、しかも、参加者の中に、ルームマスターが隠れているらしいの」
イルカは、ルームマスターはゲームに参加しないと言っていたはずだ。
参加者全員が強制参加させられたという状況は、今も同じである。
「皆、よく聞いて。もしこのゲームで処刑されたら、死ん――」
ヒュッ。
俺の目の前を、何かが高速で通り過ぎた。
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くろーさぎ(プロフ) - みるくプリンさん» ありがとうございます……！！そう言って頂けると大変励みになります！閲覧ありがとうございます！(* > <)ﾍﾟｺﾘ (2019年8月10日 17時) (
レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - こんにちは。面白くて一気読みしました！普段、恋愛系の作品しか読まないのですが、こういうのも良いですね。これからも頑張ってくださいっ(*´∀`) (2019年8月10日 17時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - ランさん» コメントありがとうございます！！はい、更新頑張らせて頂きます！閲覧ありがとうございました！m(_ _)m (2019年7月2日 16時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
ラン(プロフ) - イベントの方から来ました。読ませてもらいましたが、人狼ゲームのお話はあまり読んだことがなかったのでとても面白いと感じました。更新楽しみにしています♪ (2019年7月2日 15時) (レス) id: 48cb23a0f9 (このIDを非表示/違反報告)
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