リアリティー証言。 ページ43
「それで？」
頭から血を滴らせ、床に倒れ込むアンナさんを気にも止めずに、稲妻が訊ねた。
「アンナは……あぁ、村人陣営だね。……次は誰が人狼だって言うの？ アカギ」
「……一番最初の奴しか占えねぇだろうが。くじら以外の役職は知らねぇよ」
「……あ、あの……い、良いかな……？」
ライチが恐る恐る発言しようとし、俺はひやりとした。
(俺を裏切る気じゃないだろうな……)
しかし、ライチは予想外の事を告げた。
「よ、予言者は……あ、アカギ兄さんじゃないと思うんだ」
「はぁ……！？」
今まで変わらなかったオオガミの顔が、このゲームで初めて微かに歪められた。
「どういう意味だよ……！！」
「……お、怒らないで聞いてね。う、疑ってるわけじゃ、な、ないからね……」
「……怒ってねぇよ。早く言え」
落ち着きがある振る舞いをしていても、オオガミはオオガミだ。思わず語気が荒くなったのに気づいて、彼は口元を覆うようにして目をそらした。
「……あ、アンナ姉さんさ。く、くじら兄さんの事を、じ、人狼だって言ったよね？ そ、それってお、おかしいよね？」
「まぁ……くじらは村人だからな」
「……そ……そうじゃないんだよ、も、もしアンナ姉さんが人狼だとして、く、くじら兄さんを、人狼って、い、言う事なんてあるかな？」
彼の言わんとする事が分からず、俺は首をかしげた。村人の俺を人狼だと言って処刑しようとしたという理論なら、先程オオガミが言っていたが。
「だ、だからね。む、村人役の人に、人狼でしょって言ったら、そ、その人は絶対言うでしょ？ 違う、こいつは偽予言者だって。す、少なくともその人は、じ、自分の敵になるんだよ。じ、自分の票を一票、増やす事になるんだよ？」
確かに、村人に人狼判定を下せば、絶対にその人は自分に入れる。自分を処刑させようとする人狼だと思って。でも、一票だけだ。他の皆を誘導して、それ以外の全ての票をその人に入れさせれば良い。
「たかが一票なら問題ねぇだろ」
「ち、違うよ。い、一票って凄く、お、大きいんだよ。だ、大事なんだよ。一票だけで、か、勝ち負けが決まるの。ぼ、ぼく、それで負けた事、あ、あるんだよ？」
「結論は、何を言いたいのでしょうか？」
まことさんが、オオガミに口を挟まれる事なく、ライチが話せるよう促した。
「じ、人狼だったら、む、村人に、村人って言った方が、い、良いと思う……あ、アカギ兄さんのように」
ライチの視線が、オオガミへと向けられた。
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くろーさぎ(プロフ) - みるくプリンさん» ありがとうございます……！！そう言って頂けると大変励みになります！閲覧ありがとうございます！(* > <)ﾍﾟｺﾘ (2019年8月10日 17時) (
レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - こんにちは。面白くて一気読みしました！普段、恋愛系の作品しか読まないのですが、こういうのも良いですね。これからも頑張ってくださいっ(*´∀`) (2019年8月10日 17時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - ランさん» コメントありがとうございます！！はい、更新頑張らせて頂きます！閲覧ありがとうございました！m(_ _)m (2019年7月2日 16時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
ラン(プロフ) - イベントの方から来ました。読ませてもらいましたが、人狼ゲームのお話はあまり読んだことがなかったのでとても面白いと感じました。更新楽しみにしています♪ (2019年7月2日 15時) (レス) id: 48cb23a0f9 (このIDを非表示/違反報告)
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