セオリー投票�� ページ15
「……え？」
俺は思わず声を上げていた。
『処刑先は、大神 赤城に決まった』
「オオガミ……？」
反射的にオオガミを見た俺に、彼は苛立ったように視線をそらしながら言った。
「……てめぇの言いなりになってたまるか。投票する相手くらい自分で選ばせろ」
「……良いのか？ 俺に投票していれば、ここでゲームは終わったはずなのに……」
「……ったく、分かってねぇぜ」
オオガミは大げさに、はぁー、とため息をついてみせた。
「人狼を見つけるのがこのゲームの醍醐味だろ！お前のせいでその楽しみが無くなったら、どうしてくれんだよ！」
「……まだくじらくんが人狼と決まったわけじゃないよ」
イルカが苦笑する。彼は、本気で俺が人狼だとは思っていないらしい。
「まぁ、とにかく、あんたへの処刑は執行されるのよね」
「ああ……あー、痛ぇのは嫌だな」
赤い椅子の背もたれから伸びたベルトが、大神を椅子に固定する。開いた天井から、大量の水が、オオガミに向かって降り注いだ。
「うぇっ……」
顔をしかめたオオガミの前で、モニターに新たな文字が浮かび上がる。
『それでは、処刑を執行する』
空間を切り裂くような光と音。そして、
「うぐああぁぁぁ……っ！！」
オオガミの、呻きとも叫びともつかない声が響いて、二回目の処刑は終わった。
「……」
「……さて、これで彼が人狼なら、ゲームは終わったはずだけど……」
モニターを覗き込んだイルカは少し意外そうに「あれ……？」と声を上げた。
「終わらないんだ……」
画面に描かれたカードの絵柄は、オオガミに似た黒髪の少年が、ぶすっとした表情で立っている絵だった。彼のカラーと同じ茜色の背景に、あの村が映っている。
「これ、村人のカード……だよな」
人狼だから分かったの？ と言われる事を期待して、俺は呟いた。
「そんなに処刑されたいんだね……」
イルカがやれやれと笑う。こいつの中には、もう俺が人狼である可能性は無いらしい。となると、残るは……。
「一体、誰が人狼なんだろうね……」
「……え？」
俺は思わず聞いてしまった。誰が人狼なんだろうって、そんなの、お前の中では決まってるんじゃないのか？ 消去法なら一人しかいないはずだ。
「……アネモネさんを疑わないのか？」
「……あたしを疑ってるの？」
アネモネさんが怪訝そうに眉をひそめる。そういえば、ずっとそうだった。こいつらは……。
「……イルカとアネモネさんって、何でお互いの事を疑わないんだ？」
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くろーさぎ(プロフ) - みるくプリンさん» ありがとうございます……！！そう言って頂けると大変励みになります！閲覧ありがとうございます！(* > <)ﾍﾟｺﾘ (2019年8月10日 17時) (
レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - こんにちは。面白くて一気読みしました！普段、恋愛系の作品しか読まないのですが、こういうのも良いですね。これからも頑張ってくださいっ(*´∀`) (2019年8月10日 17時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - ランさん» コメントありがとうございます！！はい、更新頑張らせて頂きます！閲覧ありがとうございました！m(_ _)m (2019年7月2日 16時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
ラン(プロフ) - イベントの方から来ました。読ませてもらいましたが、人狼ゲームのお話はあまり読んだことがなかったのでとても面白いと感じました。更新楽しみにしています♪ (2019年7月2日 15時) (レス) id: 48cb23a0f9 (このIDを非表示/違反報告)
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