【Q.K】明け暮れ物語 短〜中編集

情人節　/mngn ページ36

gn side

2月13日。
あからさまに兄のテンションがおかしい。
「ねぇ言ちゃん〜明日バレンタインだよ〜」
さっきからずっとこんな感じ。
時間も時間だし、きっと深夜テンションなんだろうけど。
はいはいと適当に受け答えをしていると、
「あ、そうだ！言ちゃんは明日チョコくれる人いるの？」
不意に兄が問いかけてくる。
「えー…僕？……いない、かな多分」
「嘘つけっ！いるでしょ本当は！」
「僕問ちゃんに嘘つかないので」
「はぁ？いっつも僕に嘘ばっか言ってくるくせに」
またこんな時間に喧嘩が始まりそうだ。


・
「ただいまー」
そう言って玄関の扉を開ける。
それと同時に微かな甘い香りが鼻をくすぐる。
「あ、おかえり〜お仕事どうだった？」
声に気付いた兄が出迎えてくれる。
「んー普通かな」
「じゃあ良かったってことで」
そして2人で笑う。
そう。
これが僕らの“いつも通り”なのだ。
でも今日は何か違う。
何が違うかって言われても分からないけど。
「で？あった？」
「何が…？」
「え、？貰わなかったの？チョコ」
あぁ、そっかこれか。
非日常の原因。
今日がバレンタインデーだからだ。
「……貰ってない」
きっと僕は結局誰からも貰えなかったことが寂しかったんだ。
ださいな、僕。
どうせ問ちゃんはいっぱいチョコを貰っているのだろう。
で、僕はこの後色々と彼にいじられる、と。
そこまで予想がついてしまう。
身構えていると、
「じゃあ今年は僕が一番だね」
見当違いの言葉が返ってきた。
一番？
「Happy Valentine」
そう言って小さな箱を僕に差し出してくる。
柔らかく微笑んでいる兄がいつもの何十倍も格好良かった。


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お久しぶりです。
結局2/14にバレンタインお話投稿できなかったです…すみません。。
だから今日っていう。
mngn一回も書いたことなかったので挑戦してみました。
日常のほうのfkmrの続きっぽいのにするかも迷いましたが…。
悩んだ結果、こっちになりました。笑

追記：♡370・21000hit以上、ありがとうございます…！

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