【Q.K】明け暮れ物語 短〜中編集

赤色　/nbin ページ35

ini side

また逆ナンされた。
こんな髪色してるから、というのも原因だとは思うけど。
詳細は省くが、その時偶々通りすがったノブのおかげで助かったのだ。

「あのさ、さっきはごめん。あと…ありがと、」
オフィスで謝罪と感謝の意を彼に伝える。
「いや別に俺は乾が困った顔してたから助けただけだよ」
彼は表情を緩めながら返してくる。
でも、これだけで彼の話が終わらないのは知っている。
「……だけどさ、もうちょっと危機感持ったほうがいいと思うな」
ほらやっぱり。
「危機感はあるって。俺だって髪色暗くしようかとか色々考えてるし、」
「ふーん、そう…じゃあ俺も一緒に考えてあげよっか？」
「え、いいの？」
「友達が困ってたら助けるのが当たり前じゃない？」
「そ、そうだね、」
はぁ、
あんまり俺に“格好いい”を見せつけないでほしいんだけど。


・
「何？これ、」
机の上に並べられたのは、目が痛くなるほど多量にある赤色の衣類。
「乾のためにさっき近くの服屋で買ってきた」
「それは分かるけどさ、なんで赤なの…？」
赤って目立つ色じゃないっけ。
どういう目的なのだろうか。
頭の中でクエスチョンマークが飛び跳ねる。
「えー知らない？じゃあ今日が何の日かは知ってる？」
「せつ、……ぶんでしょ？」
「そう！だから赤色なの」
節分だから赤？
どうも俺の知識が彼に追い付かない。
「……見てみ？」
彼はスマホの画面を俺に向ける。

――赤色は福をもたらす陽の色であり、厄を除けてくれます

「…どう？これで分かった？」
ニッと白い歯を覗かせながら彼は問いかけてくる。
本当にずるい人だ。
「うん、めっちゃ理解」
別に策士だとは伝えない。
「じゃあこれ全部あげるから」
二度と逆ナンなんかされんなよ、と言い残して彼は場を去る。


俺はノブがずっと傍に居てくれれば絶対にされないと思うんだけどな。


---
低クオすみません🙏
今日は節分！
恵方巻でもよかったのですが、
お話になりそうな情報が入ってきたので書いてみました！
nbinの絡みは書けるうちに書かないとですからね。

追記：♡350以上ありがとうございます！

追記の追記：2/4 めっちゃ訂正しました。読みやすくなってますかね…？

情人節　/mngn→←作者からの言伝２　/本編関係×

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す