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「いただきます」
そう2人で呟いてご飯を食べる。
片桐さんはロールキャベツを口にする。
私が作ったご飯は家族か理子にしか食べてもらったことないから、どんな反応をされるのか少しヒヤヒヤする。
「……美味い」
目線を下に落としたまま、片桐さんがそう言ってくれて、私はホッとする。
「よかったです」
家で食べるいつものご飯より、今日は数倍美味しく感じる。
私たち、家で2人でご飯食べてるけど、会うのは3回目なわけで。
お互いのことまだ全然知らないし、正直何を話せばいいのかもわからない。
片桐さんは黙々とご飯を食べながら、一点を見つめていた。
何を見ているのか気になって同じ方向を向くと、私とパパとママが写った写真があった。軟高の入学式で撮った写真だ。
パパは強面だけど、優しい目をしているし、ママは子の自分から見ても美人。
「……いつから1人なんだ」
片桐さんは静かにそう聞いた。
「高校生になってからです」
「寂しくないのか」
「うーん、たまに寂しくなるときもありますけど、友達がいるので寂しくないですよ」
私がそう言うと、片桐さんはなんだか気まずそうな顔をした。
「そうか。悪かったな」
「えっ何で謝るんですか？」
急に謝られて、私は少し笑う。
「……亡くなったんだろ」
……もしかして、話噛み合ってるようで噛み合ってなかった？片桐さんの中で、私の両親死んだことになってる……？
「……生きてますよ？」
「は？」
片桐さんはキョトンとしていた。
「あっ……高校生なのに一人暮らしだし、家族の写真飾ってあるから勘違いしちゃいました？」
片桐さんは肯定するわけでもなく、せかせかと味噌汁を飲む。図星か。
「可愛いですね」
私は笑いながらそう言った。ピュアなんだなぁ、片桐さんは。
「ナメてんのか」
「ナメませんよ。開久の頭をナメられるわけないじゃないですか」
こんな強い人ナメたら人生終わりそうだ。
「っていうかお前、俺とタメだろ。敬語やめろ」
「えっ、何ですか急に。片桐さんっぽくない」
「その“片桐さん"ってのもやめろ。堅苦しい」
「ええ……じゃあ智司さん？……いや、恐れ多いですよ」
「何言ってんだ。俺もお前に助けられた。恐れも何もねぇだろ」
「じゃあ、智司さん……」
恐る恐る名前を呼んでチラッと智司さんを見ると、少し嬉しそうな、笑っているわけではないけど柔らかい表情をした智司さんが私を見ていた。
初めて見る表情に、私はドキッとしてしまった。
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こいずみ(プロフ) - 青龍 葵さん» コメントありがとうございます！返事が大変遅くなりましてすみません、、！！久しぶりに更新しました。またお楽しみいただけると幸いです！！ (2021年10月21日 23時) (
レス) id: 64da7f082c (このIDを非表示/違反報告)
青龍 葵(プロフ) - 更新を楽しみにしてます。 (2021年5月3日 5時) (レス) id: e10675e39d (このIDを非表示/違反報告)
こいずみ(プロフ) - hiroさん» ありがとうございます！！ (2020年8月18日 11時) (レス) id: 64da7f082c (このIDを非表示/違反報告)
hiro - とても面白かったです！更新楽しみにしています！頑張ってください！ (2020年8月14日 1時) (レス) id: ed14337de3 (このIDを非表示/違反報告)
こいずみ(プロフ) - 豫さん» 果たしてお家デート(？)なのでしょうか！！笑 きゅんきゅんしていただけて嬉しいです〜！！ (2020年8月8日 1時) (レス) id: 64da7f082c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こいずみ | 作成日時：2020年7月31日 16時
