歪んだ世界であなたとわたしと。

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明智吾郎 / 前

「 彼女、僕の連れなんです。離れてくれません？」

あくまで『お願い』を装うが、その言葉の裏には彼の様々な感情が見え隠れしている。それに気付いたのか、Aをナンパした男は「すみませんでしたっ！！」と明智に頭を下げ、そそくさと逃げ帰る。謝る相手が違うだろうと内心イライラしていた明智に、Aは「助けてくれてありがとう」と優しい笑顔を向ける。その顔を見てしまうと、イライラは立ち所に消え去った。男の見る目は間違っていないが、相手が悪かったな。と明智は鼻で笑う。彼女は僕のものだ。

明智吾郎 / 後

「 …… 」

彼の本性を知る者たちはみな、彼は怒らせてはいけない人物であるとわかっている。だがこの愚かな男は知らぬ内に、その引き金を引いてしまった。Aをナンパしようと近づく男の腕を無言で捻りあげる明智。一切容赦がない。腕を掴まれた瞬間は「何すんだ！」と暴れていた男だが、その目を見て心の臓が凍りつく心地になる。こんなにも冷たい目を向けられた経験のない男は、本当の意味での『恐怖』を肌に感じ、慌てて明智から離れる。そんなことがあったのを何も知らないAは「吾郎、遅かったね。」といつもと変わりない笑顔を彼に向けた。「僕のものに手を出したら、ただじゃ済まさないからな。」と彼は小さく呟いた。


◇◇◇

リクエストありがとうございました！全員がそれぞれの威圧感を持っているだろうと思いましたので、それを想像を加えて書き起こしてみました。ご希望に添えていたら嬉しいです(*´˘`*)♡

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