歪んだ世界であなたとわたしと。

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明智吾郎 / 後


「 本気で言っているなら、もうこれっきりにするから。」

人の心はそう簡単には変わらない。そのことを自身の経験から深く理解している明智は、この長きにわたる告白に終止符を打つことにした。自分が人を好きになるということも、そばにいる権利を得るために何度も告白をするということも初めての経験で、我ながら余裕のない自分を馬鹿馬鹿しく思っていた。それも今日で終わりだ。明智の尖った言葉がAの心に深く突き刺さった。自分の誤魔化しが、こんなにも自分の首を絞めることになるとは思いもしなかった。「待って…！」背を向けて、足を進める明智の腕を無意識のうちに掴んでいた。「…なに」冷たい声色に思わず涙が出そうになる。だが、ここで気持ちを伝えなければ彼との関係が終わってしまう予感がした。「…本気で言ってない。全部嘘。吾郎が誰かと一緒になるのは嫌。」無言で明智が見つめてくる。しばらくして、彼は小さくため息をつくと、ふわっと抱きしめてきた。「…振り回されるのは好きじゃないんだけど。」素っ気ない口調だが、その裏にある愛をAは感じた。


◇◇◇

リクエストありがとうございました！細かくシチュエーションを指定してくださったので、とても書きやすかったです！彼らからの一途な愛を感じていただければ幸いです。

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