歪んだ世界であなたとわたしと。

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明智吾郎 / 前

「 ずっと君の隣にいるから。安心して寝ていいよ。」

顔を青ざめたAの姿を見て、明智は何も言わずに彼女をお姫様抱っこの姿勢で抱き上げる。そのままベッドで横にさせられた。明智はAの顔にかかった髪を指先でずらす。邪魔な髪がなくなってはっきりと見えた彼は目を細めて優しい顔でAのことを見ていた。その温かみに安心するA。その大きな手を自分の頬にあてがい、上目遣いで見上げる。その姿に胸を打たれてしまい「…君が元気になったら、キスをしてもいいかい？」と取り繕いながら言う明智に、Aは「今じゃダメ？」と返す。顔を赤らめた彼の顔が少しずつ近づいてくる。Aはゆっくりと目を閉じた。


明智吾郎 / 後

「 気休めにしかならないと思うけど… 」

不器用な優しさ。彼の優しさを表現する言葉にこれ以上のものはないと思う。明智から抱きしめられ、人の温かみを感じるA。こんなにも幸せでいいのだろうか、と目に涙を浮かべてしまう。「…泣かないでよ」目を逸らしながらも服の袖で涙を拭ってくれる。その行動が余計にAの涙を誘うことになってしまい、ポロポロと泣き続ける。「吾郎のこと、好き」彼の胸の中でそう呟く。かすかに聴こえてくる彼の鼓動は少し早かった。でもその音も心地よくて。Aは目を瞑って、明智に身体を寄せ続けた。「…おやすみ」消えゆく意識の中で、彼がそう言ったのが聞こえた気がした。


◇◇◇

大変長らくお待たせしました…！きっと怪盗団男子はみんな優しく彼女ちゃんに寄り添ってくれるだろうな、との思いで執筆しました。彼らの反応で、少しでも癒しをお届けできたら幸いです。リクエストありがとうございました！

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