第四百十九話 俺だけの力 ページ8
彼は二体のシャドウを呼び寄せる。
「 騒がれてる事件は『廃人化』だけじゃない。人が突然、理由もなく事故や不祥事を起こす、『人間の暴走』…真犯人は、『心を暴走させる力』も持ってないと説明がつかない。」
そんな力があるというの…!?
「 ククク、そうさ!俺の…お前らには無い、『俺だけの力』だ!」
俺だけの、そう言った彼はどこか誇らしそうだった。自分だけの特別を、周りに見せびらかすような。やはり、彼からはどこか子供のような面影を感じる。
「 答えを見せようじゃないか!」
彼の背後に、明らかにロビンフッドとは風貌の違うペルソナが現れる。シャドウに何かを付与し、それは姿を消した。
「 ちっぽけな存在でも、心の枷が外れると、桁違いの力を得る事がある。侮らないことだね。」
「 アケチのヤツ、何した!?敵の戦闘力が上昇してるぞ!」
赤黒いオーラを身に纏い、シャドウは自らの防御力と引き換えに、攻撃力を上昇させた。数値化されなくても、このシャドウが普通では無いことは十分理解できた。
私たちも同じようにさせてもらうね。
「 エアリエル。」
全員のそれぞれの属性攻撃力を通常の三倍へと引き上げさせる。気力が底をつきそうで、気を抜けば倒れてしまいそうだが、そんなこと言ってられない。
ここで倒れたら、絶対に後悔する。
私は根性で曲がりそうになる足に反抗した。その間に、仲間が二体のシャドウを撃破していた。だが、やはり相手の力は強大で、いつもと比べると倒すのに難航していたように感じる。
「 まずは、お見事。」
「 今の『暴走』を…ニンゲン相手にホイホイ使ったってのか…?」
「 まあ流石に、今ので倒せるとは思ってない。何しろ、一度は騙されて仕留め損なった相手だ。直接この手でブチ殺すに決まってんだろ…!まずはお前だ、A!」
私はバスタードソードを構えて彼と対峙した。私の剣と、彼のサーベルが重なり合う。彼のビーム剣は光り輝いていた。
「 ああ、いいな。お前と剣を交わすのは。」
「 …吾郎。」
彼の強い力に弾き飛ばされる。私はよろめく身体に力を入れて、体勢を整えた。彼が取り出した光線銃を避けながら、階段の上を目指す。
彼が持っている光線銃を渋谷の玩具屋さんで見たことがあった。そのパッケージにはこう書いてあった。
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すみれ(プロフ) - をしすさん» ありがとうございます!素敵と言って貰えるような作品に少しでもなっていたことを心から嬉しく思います。また描いていただいたイラストの素晴らしさを共有できて良かったです..!これからの展開も楽しんでいただけるように頑張りますので、楽しみにお待ちください♡ (11月4日 7時) (レス) @page50 id: 945d36a3b1 (このIDを非表示/違反報告)
をしす - (文字数に収まらなかったのでここで失礼します…長文失礼しました) (11月4日 4時) (レス) @page19 id: 79c0c3fdd7 (このIDを非表示/違反報告)
をしす - やっぱり好き…。すみれさんの書くお話はどれも素敵すぎて読み終えた時に不思議な高揚感があります!そんな時にむぎさん、めもりさん、まりりさんの激カワイラスト達を見たらいてもたってもいられずコメントさせていただきました!これからも応援しています。 (11月4日 4時) (レス) @page19 id: 79c0c3fdd7 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ(プロフ) - もみじさん» ありがとうございます🥹久々のコメントがとても身に染みます…!オリジナルの部分を今回はかなり挟んだので、皆さんにどう思われるか少し不安でしたが、そう言っていただけてすごく嬉しいです。この先の展開も楽しんでいただけるように頑張ります! (9月11日 7時) (レス) id: 945d36a3b1 (このIDを非表示/違反報告)
もみじ(プロフ) - コメント失礼します。ずっと前からこの作品が大好きです!話の構成がとても上手で、特に『運命を変えろ』のお話はワクワクしっぱなしでした…!!獅童戦やその先の展開がすごく楽しみです。作者様のペースで更新頑張ってください。陰ながら応援しています! (9月11日 7時) (レス) id: be2598a382 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみれ | 作成日時:2023年8月19日 11時