第四百四十四話 外したら死ぬ ページ37
私たちは、冴さんからの試験頑張りなさいオーラに押されて勉強会を開くことになった。とは言っても、今日は試験前日。順調に勉強をしている者ならば最後の復習を行うべき日なのだが、
「 真っ赤な未来が見えるぜ… 」
二年生だからとはいえ、赤点を取り続けていれば彼の進級が危うい。一歩間違えれば、来年は竜司が後輩になるということも充分有り得る。
「 出そうなところだけ集中的にいくわよ。時間がなさすぎるし。」
「 ヤマ張るってことか？」
「 外したら死ぬ… 」
「 外したら死ぬ…」
「 杏まで… 」
確かに授業中に斜め前を見れば頭を傾けている杏がいたが、まさかそこまでまずい状況だとは思わなかった。先生からの質問も慌てながらもしっかり答えていたのに、どうしたのだろう。あの時だけ天使の声が彼女に降りてきていたとでも言うのだろうか。
「 蓮も他人事じゃないわよ。まあ、貴方の成績だし、そこまで心配してないけどね。」
でも蓮はしばらく学校に来れてなかったから、どうしてもみんなよりは遅れちゃうよね。
「 テストに出るって先生に言われたところとか、ノートとか、必要だったら見せるから遠慮なく言ってね。」
「 助かる。」
「 俺にも見せてくれ…俺のノート何を書いてるか全く読めねーんだよ。」
「 私も…落書きしかなくて内容すっからかん。」
「 日頃の行いだな。」
普段の授業の大切さを二人のお陰でより深く感じた。
◇◇◇
「 つーか俺ら、怪盗団やってきたじゃん？そこで色々学べたっつーか。今さら学校で習えること勉強しても、意味ない感じしねえ？」
「 一理あるかも。」
「 だろぉ？結構核心、突いてね？」
確かに怪盗団での経験は、学校で勉強しているだけでは得ることのできない貴重なものだった。見識も広がったし、世の中に対する考え方も変わった。だけど、
「 そういう体験も大事だけどな、同じくらい一般常識も重要だぞ。常識のない大人のタチの悪さ、お前らが一番よく知っているだろ？」
「 …はい。」
どちらかだけを持っていても駄目なんだ。
「 そのうち高校卒業して、社会人になって…さらに結婚なんてことになったら、尚更、求められんのは常識だしな。」
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すみれ(プロフ) - をしすさん» ありがとうございます！素敵と言って貰えるような作品に少しでもなっていたことを心から嬉しく思います。また描いていただいたイラストの素晴らしさを共有できて良かったです..！これからの展開も楽しんでいただけるように頑張りますので、楽しみにお待ちください♡ (11月4日 7時) (
レス) @page50 id: 945d36a3b1 (このIDを非表示/違反報告)
をしす - (文字数に収まらなかったのでここで失礼します…長文失礼しました) (11月4日 4時) (レス) @page19 id: 79c0c3fdd7 (このIDを非表示/違反報告)
をしす - やっぱり好き…。すみれさんの書くお話はどれも素敵すぎて読み終えた時に不思議な高揚感があります！そんな時にむぎさん、めもりさん、まりりさんの激カワイラスト達を見たらいてもたってもいられずコメントさせていただきました！これからも応援しています。 (11月4日 4時) (レス) @page19 id: 79c0c3fdd7 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ(プロフ) - もみじさん» ありがとうございます🥹久々のコメントがとても身に染みます…！オリジナルの部分を今回はかなり挟んだので、皆さんにどう思われるか少し不安でしたが、そう言っていただけてすごく嬉しいです。この先の展開も楽しんでいただけるように頑張ります！ (9月11日 7時) (レス) id: 945d36a3b1 (このIDを非表示/違反報告)
もみじ(プロフ) - コメント失礼します。ずっと前からこの作品が大好きです！話の構成がとても上手で、特に『運命を変えろ』のお話はワクワクしっぱなしでした…！！獅童戦やその先の展開がすごく楽しみです。作者様のペースで更新頑張ってください。陰ながら応援しています！ (9月11日 7時) (レス) id: be2598a382 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみれ | 作成日時：2023年8月19日 11時
