第四百三十七話 因縁との戦い ページ29
シドウの主張に賛同するように大きな拍手の嵐が巻き起こった。突如として現れた認知存在の議員たち。全て同じ顔、同じ服装で、ただ奴を褒め称えるために存在する、人形。
そこまで、と満足気な表情を浮かべ、奴の気分に左右されているかのように、シドウの立つ台座が上昇し始める。
一足先に上段へと上がったフォックスが、くいっと頭を動かす。奴は上だ、早くついてこい。と彼の表情が語っていた。
高く飛び上がってそこに着地する。二つに割れた床が出会うと『必勝』の文字が作り上げられた。
「 言っておくが、見苦しく暴れたあの愚息と、同じには考えんことだ。」
「 お前…!」
シドウは人の姿の模型の背中を踏んで、頂上へと上がる。人を蹴落としてでも自分は生き残るという意志の現れだった。それだけでも腹立たしいが、吾郎のことを『愚息』と呼んだことが許せない。そもそも今更父親ズラをするなんて。
彼がどんな思いだったのか、考えたことなんてないくせに…!
「 さあ、速やかに死にたまえ。」
「 貴方がどれだけちっぽけな存在なのか、分からせてあげる。」
春の、双葉の、蓮の、吾郎の仇との戦い。
絶対に負ける訳にはいかない。
行くよ、キャリバン。
私たちの力で、シドウを蹴散らすんだ。
◇◇◇
「 必殺の、ウルトラチャージ!」
ナビのペルソナの付与効果で仲間の攻撃力が上昇する。力の出し惜しみは一切しない。最初から、全力で。
「 うちのリーダーが世話んなった礼だ!!」
スカルのジオダインがその巨体にぶつかる。黄金の獅子の姿の巨体はそれでもビクともしない。
「 これでどう!?」
クイーンのアトミックフレア。ヨハンナと獅子の頭が交わり、勢力の押し合いが行われる。だが、その力は相殺されてしまう。見たところ黄金には傷一つついていない。どれだけ底なしの体力なんだ。
「 立ち塞がるなら。」
「 くらいなよ!」
パンサーとフォックスの協力攻撃。アギダインとブフダインという、一見相性の悪い二つの攻撃が重なり合うことで、その硬いボディに隙を作らせる。
「 薪割りの、要領で!」
ノワールの力強い一振がその巨体を動かした。今までの攻撃は全部無駄では無い。全部効いている。
「 意を示せ、ゾロ!」
確かな手応えをモナは感じていた。雄叫びをあげ、倒れたと思われる獅子の姿を私たちは見つめている。だが、奴がこんな所で終わるわけがない、というのは皆わかりきっていた。
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すみれ(プロフ) - をしすさん» ありがとうございます!素敵と言って貰えるような作品に少しでもなっていたことを心から嬉しく思います。また描いていただいたイラストの素晴らしさを共有できて良かったです..!これからの展開も楽しんでいただけるように頑張りますので、楽しみにお待ちください♡ (11月4日 7時) (レス) @page50 id: 945d36a3b1 (このIDを非表示/違反報告)
をしす - (文字数に収まらなかったのでここで失礼します…長文失礼しました) (11月4日 4時) (レス) @page19 id: 79c0c3fdd7 (このIDを非表示/違反報告)
をしす - やっぱり好き…。すみれさんの書くお話はどれも素敵すぎて読み終えた時に不思議な高揚感があります!そんな時にむぎさん、めもりさん、まりりさんの激カワイラスト達を見たらいてもたってもいられずコメントさせていただきました!これからも応援しています。 (11月4日 4時) (レス) @page19 id: 79c0c3fdd7 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ(プロフ) - もみじさん» ありがとうございます🥹久々のコメントがとても身に染みます…!オリジナルの部分を今回はかなり挟んだので、皆さんにどう思われるか少し不安でしたが、そう言っていただけてすごく嬉しいです。この先の展開も楽しんでいただけるように頑張ります! (9月11日 7時) (レス) id: 945d36a3b1 (このIDを非表示/違反報告)
もみじ(プロフ) - コメント失礼します。ずっと前からこの作品が大好きです!話の構成がとても上手で、特に『運命を変えろ』のお話はワクワクしっぱなしでした…!!獅童戦やその先の展開がすごく楽しみです。作者様のペースで更新頑張ってください。陰ながら応援しています! (9月11日 7時) (レス) id: be2598a382 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみれ | 作成日時:2023年8月19日 11時