歪んだ世界であなたと自由を掴む10【ペルソナ5ロイヤル】

第四百三十四話 頂戴する ページ25

「 ハイ、皆さんこんばんは〜。」

渋谷のモニターに怪盗団のマークが映し出される。否、渋谷だけではない。日本中にそのマークが映し出されている。フタバ砲と言う名の電波ジャックによって。

「 我々は、皆さんに『怪盗団』の名で知られている者です。」

「 俺たち全員、ピンピンしてるぜ？けど権力者どもは、情報操作して真実を塗りつぶそうとしてやがんだ。」

怪盗団のマークは「ニャー」という音と共に、猫のイラストへと差し替えられる。このイラストは今回のために用意したものではない。かつて彼女が私たちに接触する際に使用していたものだ。

「 てワケで、次なる獲物をハイシャクする前に、まず皆さんのお時間をハイシャクしちゃいま〜す！」

「 最近の要人の立て続けの不祥事、突然の乱心で起きる事故や廃人化。原因不明なんかじゃない。これらは全て、ある一人の男が欲を満たす為に企てた『犯罪』だ。」

「 その男は犯罪の露見を恐れて、私たちに罪を被せた。卑怯にも警察まで操ってね。」

「 俺らは悪人の心しか盗まねえ。なのに、テメェのした事全部おっ被せやがった。被害者の事なんかどうでもいいと思ってやがる証拠だ！」

「 その卑劣な男の正体は… 」

その時、警察の手によって電波ジャックは阻害された。だが、彼らが相手にしているのは世界一と言っても過言では無いほどの実力者。アリババ様だ。

「 おー、ケーサツ意外と素早いね。でも、残念！！」

たった一押しで日本中のシステムが彼女の支配下に置かれる。画面が再び切り替わった。

「 その男の正体は、あろう事か、現職の閣僚。特命担当大臣、獅童正義。」

「 コイツの言葉は、ぜーんぶウソ！その証拠に、」

怪盗団の影が映し出される。

「 この通り。私たちは誰も死んでなんかないよ！嘘かどうか、お偉い人とか分かる人はわかるよね。」

「 彼がどんな罪を犯してきたかは、近く本人の口から語られる事になるでしょう。どうぞお楽しみに。」

「 悪党がテメエ勝手に国ごと沈めちまうのを、黙って見ているつもりはねぇ。」

そう、私たちは決して彼の所業を許さない。
多くの人々を傷つけ、利用してきた彼を。
彼に彼自身の手で鉄槌を下させる。

「 己の利の為に人を陥れても苦と思わない貴方の歪んだ心。」

「 そして、我々がこの国を頂戴する。」

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