第五百八話 元凶を潰す ページ4
「出かけた帰りに寄ってみたら、ああなってて…」
「騒ぎになっていないってことは、ほかの人間には見えていないのかもしれないね。もしくは、見えているのに反応していないか…」
「そうなんです。通りがかった人に聞いても、特に気にしていないみたいで。もう、何がどうなっているのかわかりません…」
状況を飲み込めずにいるかすみちゃんに、私はできる限りの説明をする。クリスマスイブでの出来事を全て話すのは困難だったため、一部を掻い摘んでの説明だ。
「前にもこういうことが一度あってね。他の人たちがこの様子を気にしていないっていうのも同じだった。」
「その時はどうしましたか？解決したんですよね？」
その時は、と私が口を開こうとするが、私が答えるよりも先に蓮がその答えを彼女に伝えてくれた。
「元凶を潰した。」
「元凶、を…？」
あの時で言うのならメメントス。そして今回で言うのなら、おそらく。
「このパレスを潰せば、この気持ち悪い現実も元通りになる。」
吾郎の言葉に私は頷いた。
「パレスはまだ分からないことが多いし、絶対そうだとは言いきれないけどね。」
「いや、そうでもないと思うよ。今までの経験を踏まえての推察だからね。信憑性はかなり高く感じる。」
「あはは、吾郎にそう言って貰えると嬉しいな。」
彼からの信頼を胸に感じ、暖かな気持ちに包まれる。そういえば、獅童のパレスで彼と対峙した時に「発想の鋭さは僕にヒケを取らない」と褒めてくれたな。なんてことを思い出した。
ついでに「ただの能天気な馬鹿」と言われたことも思い出してしまったので、急いで頭の中でかき消した。
「ということは、パレスの中に入るということでしょうか…？」
「まあ…入る手段が残っていればだけど。」
コートのポケットからスマホを取り出した吾郎が目を丸くしたのを確認して、私はその隣からひょこっと覗き込んだ。
「これ、イセカイナビ…！？」
「消えたと思ってたけど、コイツも復活してるみたいだね。」
「私のにもあります！」
「履歴はある？」
「履歴…どうやれば…」
私は不慣れな様子のかすみちゃんに近付き、「ここだよ」と指を指して教える。それは間違いなく、一度このパレスに入ったことがあるという履歴であったが、今までにはなかった表記がされていた。
「これ…名前が不自然に消されてる。」
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すみれ(プロフ) - すしをさん» いつも本当にありがとうございます🥹なんて素敵な自分ルールなのでしょう。すしをさんに早く見ていただけるように更新頑張りますね！いつもコメントに元気貰ってます。またいつでも優しいお言葉をお待ちしています🥰 (2月18日 21時) (
レス) id: 945d36a3b1 (このIDを非表示/違反報告)
すしを(プロフ) - 三学期だ〜！！すみれさんのお話は少し間を空けてから一気見するという自分ルールに縛られ(？)中々最後まで見られていませんでしたが、やはり素敵だ…。無理のない範囲での更新心よりお待ちしております (2月18日 1時) (レス) id: 83df5084ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみれ | 作成日時：2024年1月10日 17時
