第五百七話 ペルソナ使い ページ3
「出なよ」という吾郎の言葉を受けて、蓮は耳にスマホを当てる。そこから漏れ出る声を、私の耳は自然と聞き取っていた。
『芳澤です！雨宮先輩、いまお台場に来てて…あの…！』
「落ち着け。」
『えっと、私よくわからないんで、見たままを言います！…あの建物が出てるんです。透けてるんですけど、モルガナ先輩が『パレス』って言ってたやつです！』
私の考えは的中していた。やはり異世界がこの現状と関係しているようだ。それにあの日、目にした不思議なパレスも。
『先輩、急なんですけど今からお台場に来れますか？』
「すぐ行く。」
『わかりました。じゃあ後で！』
奥村社長の改心を待っていたある日、私たちが偶然侵入した謎のパレス。異世界の消失と共にそれも無くなったと思っていたが、そうではなかったようだ。そこに私たちが直面する謎の全てが詰まっている気がした。
「今の電話の声、芳澤さんだったよね？パレス、って聞こえたけど。」
「パレスが見えるらしい。」
「異世界でもないのに？それとも、これが君たちのいう『融合』なのか？」
「分からないけどその可能性は高そう。」
メメントスは消滅して、異世界も消えたはず。
それなのに、どうしてこんなことになっているのだろう。
「芳澤さんのとこ、行くんだろ？僕らも行こう。どう考えても手がかりがありそうだ。」
「そうだね、行こう。」
この世界の真実を知りたい。
◇◇◇
「雨宮先輩！と、A先輩に明智さん？なんでここに… 」
「ちょうど一緒にいたからさ。」
吾郎はぼんやりと浮かぶパレスを見上げた。彼がクスッと笑うと、冬の冷たい空気が温められて白い息が出た。
「死人と擬人化の次はパレスね…面白い。」
「明智さん、パレス知ってるんですか？」
そういえば、かすみちゃんは吾郎がペルソナ使いであることも知らないんだった。
「私たちはみんな、ペルソナ使いだよ。」
「そ、そうなんですか！？なら明智さんも…」
「言っておくけど、僕は怪盗団じゃないよ。というか、
吾郎に視線を合わせられ、私はこくりと頷く。私と蓮は彼女の覚醒の瞬間を目撃し、冴さんのパレスでもその力を存分に発揮した。彼女は紛れもなく、一人前のペルソナ使いだ。
「…これ、どういうことなんでしょう。」
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すみれ(プロフ) - すしをさん» いつも本当にありがとうございます🥹なんて素敵な自分ルールなのでしょう。すしをさんに早く見ていただけるように更新頑張りますね！いつもコメントに元気貰ってます。またいつでも優しいお言葉をお待ちしています🥰 (2月18日 21時) (
レス) id: 945d36a3b1 (このIDを非表示/違反報告)
すしを(プロフ) - 三学期だ〜！！すみれさんのお話は少し間を空けてから一気見するという自分ルールに縛られ(？)中々最後まで見られていませんでしたが、やはり素敵だ…。無理のない範囲での更新心よりお待ちしております (2月18日 1時) (レス) id: 83df5084ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみれ | 作成日時：2024年1月10日 17時
