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【黒尾side】






面倒臭いことになった。





「ねぇ鉄朗くぅん、あたしと遊ぼおよぉ」





実に面倒臭いことになった。

とてつもなく面倒臭いことになった。

半端なく面倒臭いことになった。



大事なことだから3回言った。



しつこいようだが、もう一度言う。面倒臭いことになった。




「・・・俺もう帰るんスけど」

「そんなこと言わずにさあぁ、ねえええぇ」

「彼女待ってるんで!」

「やだあああぁ」





そう言ってべろんべろんに酔っ払ったその人を引き離そうとするが、見た目によらず力が強くなかなか離れない。くそ!



・・・数時間前、大学で知り合った友人に「呑みにいこーぜ!」と言われたので、なんの疑いもなく約束の居酒屋に来てみればまさかの合コン。おい聞いてねーぞ。


そこで適当に愛想笑いを振りまいていたのが裏目に出たのか。この女に見事好かれてしまったようだ。しつけーよ!!


これが男だったら一切の躊躇なく蹴り落とすが、流石に女(Aは除く)に暴力を振るうわけにもいかず、ぐっと堪える。




「ちょ、マジで俺帰るんで。みんな帰ったし。残ってんの俺らだけですから」

「鉄朗くんがあたしと遊んでくれるなら帰るよぉ」




だから彼女いるっつってんだろ!という本音は飲み込み、ため息だけにとどめる。あーもう本当面倒臭いことになっちまったなー・・・。



ぐぐ、とその人の肩を押しながらぼんやりと考える。Aもう帰ってっかな。久しぶりにケーキでも買ってやるか。確かあいつチーズケーキ好きだったよな。



と、




「ねぇ、」




するり。俺の首裏に手を伸ばしてきたその人に、俺は隠すことなく顔面に嫌悪感を丸出しにする。


なんなんだ、と軽く睨み下ろせばその赤いルージュで彩られた唇を歪めたその人。



そして、





「ッ、!!!?」





ぐい、と勢い良く引っ張られた胸ぐらにうまく状況が掴めない。


まさか、と思った瞬間、不気味にその人の目が細められた。





「ってめぇ・・・」

「やだそんな怖い顔しないでよぉ」





音もなくぶつけられた唇に、俺は思いっきり体をのけぞらせてすぐさま唇を離す。



ごしごしと唇を裾で拭いながら、思いっきり睨みつけるとけらけらと笑うそいつ。






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設定タグ:ハイキュー , 黒尾鉄朗   
作品ジャンル:恋愛
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初花love洸水哲蒼(プロフ) - とっても面白かったです!(*´ω`*) 番外編の短編心がポカポカになりました〜 (2016年3月20日 23時) (レス) id: d6c4fa5195 (このIDを非表示/違反報告)
星夜 - 完結からしばらくたってるのに、メッセージ書いてすみません!すごくおもしろくて、きゅんきゅんしました。あの、もしかして、もちづきさんって、ピクシブのこけし屋さんの作品見てたりします?似たような所がいくつかあったので。 (2015年7月24日 8時) (レス) id: 83dc7d9026 (このIDを非表示/違反報告)
クロヅキ - 完結お疲れ様でした。この作品に出合えて本当によかったっ!これからも応援しています!! (2015年4月30日 17時) (レス) id: c79d2db9c3 (このIDを非表示/違反報告)
リア充バルス - 完結おめでとうございます。私にとってこの小説はいじめられっ子の私の唯一の支えだったと思ってます。そして、チョコちゃんやyukaちゃんと仲良くなれたきっかけで大変お世話になりました!これからも応援していますね;_; (2015年4月29日 7時) (レス) id: 68591afdd0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーま - yukaさん» ホントですね!消してしまったんでしょうか… (2015年4月27日 1時) (レス) id: 52d7b185f8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちづき。 | 作成日時:2015年2月18日 17時

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