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「え、は、て、鉄朗?」
急すぎる展開にただただ目を見開く。と殺人鬼もタジタジな殺気のこもった鋭い目で私を睨み、あろうことか私の胸ぐらを掴んできた。
もう一度言う。私(もう20歳のピチピチのレデー)の胸ぐらを掴んできやがった。
「てめぇ今何時と思ってんだ!!しかもこのハゲとほっつき歩いてたのかよ!!!ふざけんな!!!」
「・・・っはぁ!!?昨日無断で帰って来なかったのはどこのどいつよ!!だいたい私だって好きでこのおっさんに付き合ってんじゃないっつーの!!ふざけんなはこっちのセリフだこのダメ猫!!!」
「あァ!!!?俺はいいけどお前はダメに決まってんだろ!!」
「お前どんだけ自己中心なの!!?一周回ってもはや尊敬するわ!!!」
鉄朗のあまりにも自己中心すぎる発言にブチギレた私は、鉄朗の胸ぐらを引っ掴んでぎゃんぎゃん怒鳴り散らす。
と、その迫力に怖気づいたのか、いつの間にかあの若ハゲ野郎は居なかった。あんの根性なしめ。
「私がどんだけ心配したと思ってんの!!?連絡も寄越さないでふざけんな!!せめてメールぐらいしろよバカ、バカ、バーーカ!!!!」
「ッ、」
堪えていた本音と一緒にぼろぼろと溢れる涙は、とどまることを知らない。
あぁ、最悪だ。こんな失態見せたら、めんどくさい奴って思われる。
ごしごしとスーツの裾で目元を拭う。と、がしり。手首を掴まれて無理やりその腕を下ろされた。
滲む視界の中でぼんやりと映ったのは、少し困ったように笑う鉄朗。
「・・・っごめ、」
「お前が謝んな。悪かった、俺も言い過ぎた。・・・昨日帰ってこなかった理由、ちゃんと言うから家入んぞ」
風邪ひく、と私の頭を優しく撫でて、家に入れてくれた鉄朗にきゅ、と心臓が締めつけられる。
そういうさり気なく優しいとことかがやっぱり好きなんだよなぁ、私。
と、鉄朗はやけに真剣な顔でリビングの椅子に座って、一言。
「俺が話し終わったあと、俺の事全力で殴れ」
「は?何で」
「・・・話聞けばわかる」
そう言ってふう、っとため息を吐いた鉄朗は決心したように口を開いた。
「昨日────・・・」
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初花love洸水哲蒼(プロフ) - とっても面白かったです!(*´ω`*) 番外編の短編心がポカポカになりました〜 (2016年3月20日 23時) (レス) id: d6c4fa5195 (このIDを非表示/違反報告)
星夜 - 完結からしばらくたってるのに、メッセージ書いてすみません!すごくおもしろくて、きゅんきゅんしました。あの、もしかして、もちづきさんって、ピクシブのこけし屋さんの作品見てたりします?似たような所がいくつかあったので。 (2015年7月24日 8時) (レス) id: 83dc7d9026 (このIDを非表示/違反報告)
クロヅキ - 完結お疲れ様でした。この作品に出合えて本当によかったっ!これからも応援しています!! (2015年4月30日 17時) (レス) id: c79d2db9c3 (このIDを非表示/違反報告)
リア充バルス - 完結おめでとうございます。私にとってこの小説はいじめられっ子の私の唯一の支えだったと思ってます。そして、チョコちゃんやyukaちゃんと仲良くなれたきっかけで大変お世話になりました!これからも応援していますね;_; (2015年4月29日 7時) (レス) id: 68591afdd0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーま - yukaさん» ホントですね!消してしまったんでしょうか… (2015年4月27日 1時) (レス) id: 52d7b185f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちづき。 | 作成日時:2015年2月18日 17時