「何が言いたいかって何で俺コイツらの世話係になってんの」 ページ40
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「おい美紅ー輝待ってんぞ早くしろ」
「・・・先行ってて」
「はぁ!?って、お前何でヘアアレンジとかしてんの!?不器用な癖に!」
「うっさい」
早朝。いつもならそろそろ家を出ている時刻。にも関わらず何故か鏡に映る自分を睨みつけて、必死に髪をいじる美紅。何考えんだこの馬鹿。
今日に限って父さんいねーしな、と毎朝毎朝美紅にウザがられるほど髪をアレンジしたがっている我が父は、今日は仕事で朝早くに出て行ってしまった。
とそんなことを考えている間にも刻々と迫ってくる朝練の時間。・・・クソ!
「輝先行ってろ!後で美紅と追いかける!」
「え、ちょ、拓朗?」
「お前不器用すぎんだよボケ。じっとしてろよ」
俺は美紅の手から髪ゴムをひったくり、美紅の髪に触れる。
・・・コイツの髪サラサラすぎてまとめにくいんだよなぁ、と思いつつダッシュでまとめて、ゴムやらピンやらで留める。よし、
「編み込みにしてやったから変に触るなよ!オラとっとと立て!走るぞ!」
「・・・拓朗無駄に器用だよね」
「あ!?」
「ありがとう。嬉しい」
「・・・まぁお前じゃなくて輝のためだけどな。放課後デートするんだろ」
半分つっかけながらも何とかスニーカーを履いて乱暴に玄関のドアを開けながらそう言うと、何で知ってる、と言わんばかりにこちらを睨む美紅。
輝が喜々として俺に話してきた、とは輝の身の安全を配慮して言わずにいておいてやる。
「それよりもっと速く走れよ短足!」
「はぁ?ふざけないでよこの寝癖野郎。ブス」
「あァ!?」
ダダダダダ!と結構な速度で走りながらキャンキャンと言い合う俺と美紅。
結局朝練にはギリ間に合った。良かった。が、輝が俺には目も呉れずいつもと違う美紅に飛びつき「美紅可愛い!!なにこれ天使!!!」とか叫んでたから思わず飛び蹴りをかました。
爆ぜろバカップル。そして俺を労れ。
・・・と、その日の放課後である。
「じゃーな拓朗!!!」
「おー。デート楽しんで来いよー。あと喧嘩するんじゃねーぞ」
「わかってる!!!」
ウキウキ、と言うにふさわしい表情で美紅のクラスに走っていった輝を見送って俺はひとつあくび。
あー輝もいねーからバレーの練習できねぇしな。どうすっかなー・・・。と、
「あ、拓朗くん」
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初花love洸水哲蒼(プロフ) - とっても面白かったです!(*´ω`*) 番外編の短編心がポカポカになりました〜 (2016年3月20日 23時) (レス) id: d6c4fa5195 (このIDを非表示/違反報告)
星夜 - 完結からしばらくたってるのに、メッセージ書いてすみません!すごくおもしろくて、きゅんきゅんしました。あの、もしかして、もちづきさんって、ピクシブのこけし屋さんの作品見てたりします?似たような所がいくつかあったので。 (2015年7月24日 8時) (レス) id: 83dc7d9026 (このIDを非表示/違反報告)
クロヅキ - 完結お疲れ様でした。この作品に出合えて本当によかったっ!これからも応援しています!! (2015年4月30日 17時) (レス) id: c79d2db9c3 (このIDを非表示/違反報告)
リア充バルス - 完結おめでとうございます。私にとってこの小説はいじめられっ子の私の唯一の支えだったと思ってます。そして、チョコちゃんやyukaちゃんと仲良くなれたきっかけで大変お世話になりました!これからも応援していますね;_; (2015年4月29日 7時) (レス) id: 68591afdd0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーま - yukaさん» ホントですね!消してしまったんでしょうか… (2015年4月27日 1時) (レス) id: 52d7b185f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もちづき。 | 作成日時:2015年2月18日 17時