E組一の問題児 (ページ34)

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｢…なんで勉強してんの？｣

カルマが欠伸をしながらリビングに入ってきた。

｢おはよ、朝ごはんできてるよ｣

問題集を解きながら返事する。

｢んー｣

適当な返事と共にカルマはキッチンに消えていった。

…

｢イチゴ煮オレとリンゴ煮オレ、どっちがいい？｣

｢選択肢両方煮オレってどういうこと？！｣

普通、コーヒーとお茶どっちがいい？じゃない？

｢この家、煮オレしかないし｣

…そっか、ここカルマの家だもんね。

そう自己解決して目の前の問題集に集中する。

｢はい、リンゴ煮オレ。青森限定だから大切に飲んでよ｣

｢…飲んでみたかったの、ありがとう｣

勉強をストップし、差し出された煮オレに手を伸ばす。

｢そういえば買い物に行くって言ったじゃん、何時頃家出る？｣

そう言いながら私の向かいに座った。

｢うーん、私勉強しなきゃだから買い物とか大丈夫だよ？｣

"勉強以外しなくていい、勉強以外するな。"
私にそう教えた先生の声が脳内で響く。

｢もうテスト終わったしそんなに気張りつめて勉強する意味なくない？｣

そう言い、私の問題集を手に取るカルマ。
カルマの事だしそのまま持っていっちゃいそうでやだな…

｢うわなにこれ、高2の範囲じゃん…｣

高校2年生の為の問題集って表紙に書いてあるのを見てびっくりしてるみたい…

そろそろ返して欲しい

｢期末テストの勉強してるの、だから返して？｣

さすがにテスト勉強って言えば返してくれるよね…

｢高2の範囲は中学のテストで出ないからね！！｣

｢…｣

｢これは没収ね。あっ、俺がご飯食べたら出かけるから準備しててよ｣

私の問題集はカルマがどっかに持って行ってしまった。

｢ああ、私の問題集ちゃん…｣

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約2年分。学力の差が着いてる事に俺は珍しく焦りを感じていた。