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4：馬鹿(N視点) ページ4
〜N視点〜
この男は、馬鹿なのだろうか。
朝から晩までびっしりのスケジュールをこなしてきたかと思うと、仕事が終わった途端、自分の家に来て、何も言わず抱き締めてくるなんて。
「…あの、そろそろ放してくれませんかね。」
無言で自分のことを抱き締めてくる恋人に呆れながらも、流石にずっとこのままは苦しいので、仕方なく声をかける。
すると恋人は、ゆっくりと口を開いた。
「しょうがねぇじゃん…お前が足りないんだから…」
恋人の予測もしていなかった言葉に、顔が羞恥で紅く染まるのを感じながら負け惜しみのように自分は言葉を呟く。
「…馬鹿…」
違う。
確かにこの男は馬鹿だが、そんな馬鹿な男をこんなにまで愛してしまっている自分の方が。
誰よりも、何よりも、この男が大切で、大好きな自分の方が。
大馬鹿野郎だったのだ。
〜終わり〜
〜あとがき〜
「紅」と書いて「あか」と読む、紅百合です。
今回は、互いが大好きで馬鹿なONさんのお話です。
人は恋をすると、誰しも大馬鹿野郎になってしまうのでしょうね。
お読み下さり、有難う御座いました。
〜紅百合〜
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作者名：紅百合 | 作成日時：2017年9月30日 20時
