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3：つまみ(N視点) ページ3
〜N視点〜
自身の極上の酒のつまみは、貴方だ。
貴方の笑顔を見ながら呑む酒は、何よりも美味たる味で、貴方の声を聴きながら呑む酒は、何よりも甘く、優しく感じるのだ。
そんな、他人に聞かせたら盛大に引かれるだろうことを考えていると、貴方は言い放った。
「…俺さ、ニノと一緒に酒呑むだけで、いつもより何倍も美味く感じるんだ。」
そう、酒のせいで紅く染まった顔で言ったのだ。
自分達は長年一緒に居るせいで、思考回路も似てきたのだろう。
アルコールのせいでふわふわとした頭で漠然と考える。
すると貴方は、急に唇を塞いできた。
予測もしていなかった出来事で、反応が遅れた自分は、唇を隠しながら、顔を真っ紅に染め、貴方を睨みながら口を開いた。
「…な、なにするんですか!!」
そう自身が怒っているにも関わらず、恋人は悪びれた様子もなく、酔いが回った蕩けるような笑みを浮かべながら、呟いた。
「んふふ、最高の酒のつまみ貰ったぞ。」
その言葉に、耳まで紅く染まったのを感じながら、自分は恋人に近付いた。
今度は自分が、最高の酒のつまみを貰う為に。
〜終わり〜
〜あとがき〜
「紅」と書いて「あか」と読む、紅百合です。
今回は、互いが互いの最高の酒のつまみである、ONさんのお話です。
大切な人が隣に居てくれるだけで、お酒は進むのでしょうね。
お読み下さり、有難う御座いました。
〜紅百合〜
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作者名：紅百合 | 作成日時：2017年9月30日 20時
