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1：背中(N視点） ページ1
〜N視点〜
彼の背中は広く、温かい。
自身より身長は低い筈なのだが、自身の背中とは比べ物にならない程に逞しく、温かく、そして何よりも、心地良い。
どうしてこうも違うのだろうか。
同じ年月を、隣で過ごしてきたというのに。
そんなことを案じていたら、恋人は唐突に口を開いた。
「…俺、ニノの背中好き。」
自身が考えていたことと、全く同じ内容の呟きが耳に入り、少々狼狽える。
「…な、なんで…?」
戸惑いを覚えながらも、何故かと問い掛ける。
すると恋人は、当然だというように言い放った。
「だって、ニノの背中って、ちっちゃくて、可愛くて、すっげ守りたくなんの。俺の背中と全然違う。」
そんな貴方の言葉を聞いて、自分はこのままでも良いのか、と思い直した。
貴方と同じような、逞しい背中じゃなくても。
何故なら、自分にとって何よりも大切な人が、同じじゃないから良いと言ってくれたのだから。
〜終わり〜
〜あとがき〜
「紅」と書いて「あか」と読む、紅百合です。
今回は、Oさんの逞しい背中が大好きなNさんのお話です。
やはり、何事も自分と違うからこそ、愛しく感じるのでしょうね。
お読み下さり、有難う御座いました。
〜紅百合〜
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作者名：紅百合 | 作成日時：2017年9月30日 20時
