勝負１ ページ31
侑李サイド
学校の近くの駅で解散することになって、そこから病院まで、僕は全力で走った。
病院の庭には、たくさんの患者さんがいる。
車椅子に乗ったお年寄り、元気に遊んでいる子供、子供たちを注意している看護師と、患者さんと話している医者。
みんな、楽しそうに見える。
受付のお姉さんに「こんにちは」と挨拶をすると、
「こんにちはぁ」と心地よい声が返ってきた。
僕は、エレベーターにのって、小児科病棟に向かう。
ちょうどエレベーターの扉が開いたとき、雄也先生がこちらに歩いてきた。
侑李「雄也先生！」
�睫收萓検屬�お、侑李！ 試合、どうだった？」
侑李「勝ったよ！ えっと……これ見て！」
僕はリュックサックから小さめの金メダルを取り出した。
�睫收萓検屬Δ錣 △垢辰欧А� よく頑張ったなぁ、ゆーりぃ、よくやった！」
先生は、僕の頭をガシガシッと力強く撫でた。
侑李「やめてよぉ、先生。あのさ、他の先生たち知らない？」
�睫收萓検屬Α爾鵝�知らないけど……。あ、やぶひかはまだ食堂にいるかも。さっき見かけたから」
侑李「やぶひか？」
聞きなれない言葉だけど、話の流れで先生であることはわかったから、僕は聞き返しながら、�爐笋屬劼��瓩�誰なのかを予想をする。
�睫收萓検屬◆爾修辰�、わかんないか。薮宏太と八乙女光。医者たちの間では結構そういう呼び方するんだ」
侑李「へぇ。で、薮ちゃん先生と光先生は食堂にいるかもなんだね？ ありがと、雄也先生。じゃあね！」
�睫收萓検屬�、おう、じゃあな！」
僕は雄也先生に手をふって、食堂に行く。
昼の三時半に食堂って、遅い昼御飯なのか、それとも、
ものすごく早い夜御飯なのか……。
そんなことを考えながら歩いていると、食堂に着いた。
でも、そこには先生たちはいなかった。
もう食べ終わってどこかに行ってしまったのだろうか。
食堂の周りを探していると、「侑李？」と後ろから声をかけられた。
侑李「いた！ 薮ちゃん先生と光先生！」
薮先生「どうかした？」
侑李「ねぇ、見て！ 優勝したんだよ！」
僕は、雄也先生にも見せたメダルを、二人の前に出す。
薮先生「良かったなぁ、すごいじゃないか」
八乙女先生「マジで勝ったのか。涼介の移植もうまくいったし、今日はいい日だな」
光先生が言ったその言葉を、僕は聞き逃さなかった。
侑李「涼介、移植、成功したの？」
そう訊くと、二人は「行っておいで」と僕の背中を押した。
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作者名：J | 作成日時：2020年9月29日 14時
