JUMPの闘病生活。３ (ページ39)

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光と闇ページ39

侑李サイド

「えー、休みが開けて、またみなさんの元気な姿を見られることを、楽しみにしています」

ペラペラと長ーい話をした校長先生が１歩後ろに下がった後、校長先生に合わせて僕たちもお辞儀をする。

やっと終わった。

「生徒のみなさんは、腰を下ろしてください」という３年生の人の声でその場に座った僕は、ふぅ、と息をつく。

今日は終業式だった。

１時間くらい話を聞くだけだったけど、立ったり座ったりが忙しかったし、まだ覚えられていない校歌も歌ったから、僕には3時間くらいに感じられた。

疲れ果てて教室に戻ると、海が「長すぎだよね、先生の話」とため息をつきながら言った。

侑李「なんか疲れたぁ」

海「今日部活やだなー」

海のその言葉を聞いて、僕も少し憂鬱な気持ちになる。

終業式を終えて午前中に１度家に帰れるんだけど、午後からはみっちりと部活がある。

いつもだったら嫌だとは思わないけど、今日はもう気力が残っていない。

クラスの男子がだらーんと怠けているところに、担任の先生が「これから休憩だけど、通知表渡すから５分後には教室に戻ってよ」と声をかける。

テストも受けていない僕には、何もいい成績はなかった。

だけど先生は、１人だけ渡さないのは目立っちゃうからと言って、オール4の通知表をくれた。

先生は「態度も良かったし、意欲もあるし、何となくこんな感じじゃない？」と言ってから、「来年はオール５をとってよ」と笑った。

侑李「は、はい！頑張ります！」

先生「あ、ちょっと待って」

自分の席に戻ろうとした僕を、先生が呼び止めた。

先生「友達できた？」

侑李「はい。海くんと仲良くなりました」

先生「わかった」

僕はペコッと軽く頭を下げてから、自分の席につく。

海「長かったね」

侑李「うん。誰と仲良いの？って聞かれたから、海って言っといたよ」

海「おー、ありがと。じゃあ来年も同じクラス確定だね」

侑李「そーなの？」

海「転校生は友達と同じクラスになるもんだよ。先生がくっつけてくれるから」

ありがたいけど、ちょっとだけ申し訳ない気持ちになる。

特別扱いって感じがして。

でも、海が「マジでありがとう」と言ってくれたから、少し罪悪感が薄れた。

しばらくして、全員が通知表を受け取り、席についた。

「さようなら」という２年生最後の挨拶は、いつもより大きかった。

海に「また後でね」と言ってから、僕は走って病院に向かう。