JUMPの闘病生活。３ (ページ38)

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光と闇ページ38

涼介サイド

侑李「りょーすけぇ、疲れたぁー」

汗だくで部屋に入ってきた侑李に、俺は「大丈夫？」と声をかける。

侑李「今日ね、２年生しかいなくて。めっちゃ疲れたぁ」

侑李は、あっ、と何かをひらめいたような顔をした後、「涼介が頭を撫でてくれたら元気出るのになぁ」とつぶやいた。

涼介「はいはい。しょーがないな」

侑李「ん？あ、これ、独り言だから。気にしないでいいから」

どんな独り言だよ、と心の中でツッコむ。

こんな変なことを言う侑李は、結構重症だ。

涼介「頭撫でてやるから、こっち来て」

侑李「んふふ、涼介がどーしてもって言うならいいよ？僕の頭撫でても」

涼介「もー、何なんだよぉ」

俺が頭をわしゃわしゃと撫でてやると、侑李は幸せそうな顔をして「えへへ」と甘えた声を出す。

侑李「元気出たよ。明日からも頑張る！」

涼介「はーい、頑張ってね」

侑李は、ニコッと笑った。

昔から、ずっと変わらない笑顔。

侑李が移植を受けて白血病を治し、俺との差がどんどん開いていっても、この笑顔だけは変わらなかった。

侑李「春休みになったら、いっぱい涼介と過ごせるね」

涼介「部活もあるんじゃないの？」

侑李「あるけど１日中じゃないから」

「だからさ、一緒にいよ。ね？」と目を少し潤ませて輝かせる侑李。

涼介「うん、一緒にいるのはいいんだけど。無理して倒れないでよ？」

侑李「わかってるってぇ」

涼介「それに、俺ばっかりじゃなくて、その海くんと遊んだ方がいいんじゃない？」

侑李「海とも遊ぶよ。3年生だと遊べなくなるし。だから、海と遊び終わった後に、涼介と遊ぶの」

涼介「……バカになっちゃうよ？そんなに遊んでたら」

俺がちょっといじわるをしてみれば、侑李は「別にいいもん」と頬を膨らませた。

侑李「頑張ればできるもん、勉強くらい」

だいぶ余裕発言だな、なんて思いながらも、侑李は天才だもんな、と納得している自分もいる。

侑李「僕、ちゃんと授業うけてるし、伊野ちゃん先生が買ってくれたワークもやってるし、いざとなったら大ちゃん先生に教えてもらえばいいからね」

涼介「……ゆーりぃ！」

俺は胸を張っていた侑李の頭を撫でる。

侑李は「え、ちょ、なに？」と戸惑っている。

さっきは頭撫でろって言ったくせに、今は顔を真っ赤にして照れている。

涼介「ありがと、侑李」

侑李「どーいたしまして」

嬉しそうな侑李の笑顔を見て、俺も少し嬉しくなった。