JUMPの闘病生活。３ (ページ36)

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光と闇ページ36

侑李サイド

侑李「海、おはよっ！」

海「おはよ、侑李。今日は早いね」

侑李「うん！」

僕は手を動かしながら、頷いた。

昨日までは、直前まで病院にいたけど、今日は涼介に「早く行きなさい」と半ば強引に追い出されたから、いつもより早く登校している。

海「何かあった？機嫌良さそうだね」

侑李「それは……秘密だよ！」

海は、「なんだよぉ」とすねるふりをする。

涼介のことは、まだ内緒にしないとね。

僕はリュックをロッカーに入れて、急いで席につく。

海「あ、今日部活２年生だけだって」

侑李「え、そんなことあるの？」

僕がそう聞くと、海は「結構あるよ？」と笑う。

侑李「そーなんだ。部活って、ハードなんだね」

海「確かに、俺の前の学校よりも、ちょっとハードかも。グレーよりのブラック部活だね」

海は笑っているから、ふざけてそんなことを言っているだけで、あまり嫌だとは思っていないのだろう。

海の笑顔を見ていると、脳裏に涼介が浮かぶ。

ずっとずっと涼介といたから、すぐ涼介のことを考えてしまう。

何してるのかなって、大丈夫かなって。

こんなんじゃ海に失礼だとわかっていても、涼介のことで頭がいっぱいなんだ。

海「侑李？どーかした？」

侑李「あ、ううん、何でもない」

僕は精一杯の笑顔でそう言った。

放課後。僕と海は更衣室にいた。

伊野ちゃん先生が買ってくれていたシューズを取り出すと、インソールに小さく〝ファイト！〟と書いてあった。

そして、もう片方の靴には。

〝侑李、優勝しろよ〟と、大会の前じゃないよ？ってツッコミたくなるようなメッセージ。

涼介の字だった。〝優勝〟の部分はインクがにじんでいて見にくいけど、それですら愛おしさを感じる。

僕はその字を数秒眺めてから、そっと靴を履いた。

サイズはピッタリで、履くだけでやる気が出てくる。

侑李「行こ！」

海「うん！」

僕たちは更衣室を出て、グランドの端っこまで駆け抜けた。